はじめに
息子一家が連休で帰省してきました。息子曰く、息子の奥さんのおじさんが突然、急病で倒れ、そのまま息を引き取ったそうです。そのお葬式に行ってきたと話していました。
そこから話は派生して、「親父が突然死したらブログはどうするの?」という話になりました。
確かに、その心配もあります。ブログ運営で、ほんのわずかな収入もあります。
自分が死んだら、ブログは当然放置だろうなぁ、とは思っていたのですが、息子に言われて気づきました。ブログは、1年以内に閉鎖に追い込まれると言うことを。
気づかなかった自動引き落とし停止というトラップ
自分が死んでも、ブログはずっと表示されていると勝手に思い込んでいました。しかし、現実は違います。レンタルサーバーと独自ドメインを契約しているので、その支払いが止まると、自動的にブログが閉鎖されることになります。
契約者が死亡すると、本人の預金口座が凍結されます。家族でも引き落とすことが出来なくなります。遺産相続関連の財産保全措置のようです。
今回のケースでは、管理人の死亡により、銀行取引が凍結されることから、レンタルサーバーとドメインについての引き落としが出来なくなります。
そして、Googleアドセンスの振込口座も凍結されるため、収益が振り込まれることもありません。
これを解消するにはどうすればよいのか
まず、ブログを継続する必要があります。本サイトでは、ロングテールの訪問者がメインのため、更新を放置していても一定数の訪問者がいます。
そして、それがアドセンスの収益にもつながっています(微々たるものですが)。
管理人の死後、遺族がこの環境を維持するには、どのような情報が必要なのか考えてみました。
すると、とてもめんどくさいことが分かりました。
まず、ブログを継続する手順です。このサイトは「ロリポップ」というレンタルサーバーと「ムームードメイン」のドメインを契約しています。この契約を維持する必要があります。
そのためには、各社のログインサイトのURL、ユーザー名、パスワードが必要になります。そして、契約者変更、入金手続きの変更を行います。
次に、アドセンス。これは、振込先を変更するだけなので簡単です。でも、何の情報もない遺族には不可能な手続きです。このため、アドセンス管理画面のURL、ログイン名、パスワードを遺族に教える必要があります。
ということで、一つのサイトでこれだけの情報を遺族に伝える必要があります。複数のサイトを運営している人は、それが何倍にも増えます。たぶん、パスワードの使い回しはしていないと思うので、サイトごとに必要な情報を遺族に伝える必要があります。
さらに、サイトへのログイン方法も伝える必要があります。様々な更新が必要となり、放置しておくことが出来ないのが最近のネット環境です。サイトのログインurl、ログインに必要なユーザー名とパスワードを遺族に知らせる必要があります。
ログインしてからどうするかまで伝えるのはほぼ不可能です。トラブルの原因にもよるし、どんな操作が必要になるかなど分かりません。幸い、息子はPC・ネットに詳しいので、自分で何とか出来るでしょう。
ブログ管理人が死亡するとサイトが消えるのはこういう事情だったのか
最近のネット上の記事は、読むに堪えない記事にあふれています。昔は、とても役立つサイトがたくさんあったのに、今では余り見かけません。なぜ消えたのだろう?
これが管理人の疑問でした。人気が落ちて検索の圏外になったのかもと思っていました。
その答えが「サイト管理人の死亡」なのかも、と思い当たりました。
そして、優れたサイトを遺族の方が維持できなかった。サイト運営者が突然死するケースでは、サイトの維持を遺族の方が行うのはほぼ不可能でしょう。
優れたサイトは、通常、独自ドメインを使っています。レンタルサーバーとの契約が終了すると、データは消えてしまいます。サイト管理者でもない限り、それを復元するのは無理でしょう。
「サイト管理人の死亡」に備えるには
今回の問題は、ブログ管理者だけでなく、ユーチューバーでも同じことが言えます。なにしろ、振込口座が凍結されるのですから、遺族が収益金を得ることができません。
残された遺族の多くは、故人のサイト運営について何も知りません。ネット運営に詳しい人に相談しても、ログインできなければ何も出来ません。
最低でも、ログインURL、ユーザー名、パスワードを記録に残しておくべきです。「エンディングノート」を書くのであれば、これらの情報は必須の項目となります。
「株」もめんどくさそう
株取引をしている人も、突然死に備えて、必要な情報を遺族に伝える必要があります。
株取引の場合、証券会社は株券所有者の生死には関心が無いようで、遺産相続人が証券会社に連絡して初めて死亡を知ることになるようです。株の場合、株券自体がなくなってしまう心配はないのでじっくり調べて手続きをすることになります。
でも、そもそも、どのくらいの株を持っているのか、遺族には分かりません。これこそが、残された遺族が早く知りたい情報でしょう。やはり、株取引口座のURL、ログイン名、パスワード、出金パスワードくらいは遺族に伝えておく必要があります。それにより、遺族は、どのくらいの資産があるのかを把握することが出来ます。ただ、死者の名義のままで売買したり送金したりするのは、相続人であっても問題があるかも知れません。
基本的には、株券は相続対象になるので、代表相続人にあたる方が「特定口座開設者死亡届出書」を提出して、手続きを開始することになります。
銀行はどうやって預金者の死亡を知り、口座を凍結するのか
役所への死亡届け提出と銀行の預金口座凍結とは全く無関係のようで、両者の連携はありません。それでは、銀行はどうやって預金者の死亡を知るのか。管理人の経験では、新聞の訃報記事が情報のソースになっているように感じました。地方銀行の話ですが。新聞に訃報記事が載るとすぐに口座が凍結されます。凍結の余りの早さに驚いた記憶があります。
大手の都市銀行の場合、どうしているのでしょうか。たぶん、大口預金者でない限り、預金者の死亡を把握できないと思います。把握できるのは、相続関連で関係者から連絡を受けたときか、死亡の噂を聞いたときくらいでしょう。
本人が死亡した後で、遺族が勝手に預金を引き落とすと、相続関係で不利になる場合もあるようです。相続人の数がたくさんいる場合は、気をつけた方がよいでしょう。
おわりに
息子の奥さんのおじさんの急死は、残された遺族に大変なダメージになっているそうです。商売の中枢にいた人が突然亡くなったため、会社の取引相手も分からず右往左往なのだとか。
でも、こんなことはどこの家庭でも起こりうることだと思いました。
その意味で、息子に感謝です。このブログは管理人が死んでも表示されるものと思い込んでいました。レンタルサーバーの契約のことを忘れていました。