3年ほど前に小倉美咲さんが行方不明になった山梨県道志村椿荘オートキャンプ場で新たな動きがあり注目を集めています。
管理人は現地に行ったことがないので、地形がどのようになっているのか全く分かりません。テレビやネット記事はいつものように、ほんのわずかな情報をどうでもいい情報と組み合わせて膨らませて書いているだけで、現地の状況が全く理解できません。
あまりにも当たり前の情報として、美咲さんが失踪した地点の標高と、人骨が見つかったとされる地点の標高差はいくらなのか? こんなことすら報道せず、現地に行きました! とレポートするレポーター、それを報道するメディアの姿勢が疑われます。問題意識の片鱗すら感じさせません。
現地の地形がとても険しいことは等高線から分かります。問題となるのは、今回見つかった靴や人骨が発見された場所の標高です。キャンプ場より100mも標高が高かったとしたら、美咲さんが自分で登ったとは考えられないことになります。
発見された人骨や衣服・靴は、まだ、美咲さんのものだと確認されていません。したがって、美咲さんと結びつけるのは時期尚早なのです。
今回の記事は、美咲さんの事件とは関係なく、一般論として書くことにします。
Google Earth に等高線を表示する方法
Google Earth は便利なのですが、等高線が表示できないため、微妙な地形の変化を知りたいときには使えません。Google Map は等高線を表示できるのですが、やはり大雑把という印象を受けます。
そこで頼りになるのが国土地理院の地形図です。国税を使って仕事をしている組織なので、その成果は有効に使いましょう。(www)。
国土地理院の地形図をGoogle Earthに表示するには、地理院の地形図をKMLファイルで出力して、Google Earthに読み込む方法を採ります。
この方法の利点は、座標を修正する必要がないこと。とても簡単にGoogle Earth上に地形図を重ね合わせることができます。
では、具体的な方法を紹介します。
地理院の地形図をKMLファイルで保存
国土地理院の「地理院地図KMLデータ」というページを開き、「標準地図」の右側のURLをクリックします。すると、「gsi_std.kml」というファイルがダウンロードされます。これは、日本全土をカバーするKMLファイルです。
KMLファイルをGoogle Earthに読み込む
Google Earth を起動し、[ファイル] ⇒ [開く] で、先ほど保存した「gsi_std.kml」を選択して [開く]。
これで、Google Earth に日本全土の国土地理院地形図を表示できます。
不思議なことに、こんな簡単なことが、Googeで検索してもヒットしません。やり方が分からない! 20年くらい前の今では役に立たない情報がヒットするから驚きです。20年の間にGoogle Earthも国土地理院もサービスを向上させています。
最初に人骨が見つかった地点の標高とは
発見された人骨はまだ誰のものかは定かではありませんが、標高という視点で見れば以下のようになっています。
国土地理院の地形図を重ね合わせてみると、キャンプ場の標高は561m、人骨が見つかった地点の標高は566m、そして、靴や衣類が見つかったのがその上流で662m付近です。キャンプ場より100m以上上です。
この人骨が誰のものかは不明ですが、子供の人骨であると鑑定されたことから、単なる失踪事件ではなく、明らかに殺人事件として捜査本部を設置して捜査すべき事案であることを示しています。
[5月15日 追記します]最初に、美咲さんのご冥福を心からお祈りします。
「上流から流されてきた」との間抜けなコメントをしている(自称専門家)がいますが、上流などほとんどありません。分水嶺に囲まれているので、流されてきたはあり得ないのです。さらに、この沢の集水域はとても小さいので、雨があっても大きな出水はありません。素人が専門家のふりをしてコメントするのはやめろよ! 動物が運んだ? 動物は、両足の靴をセットで運ぶことはありません。
地形図を読むと、最低限、こんなことが分かります。マスコミやそれに登場する人たちってど素人なのでしょうか。こんな当たり前のことさえ書けないメディアって何なの? と呆れてしまいます。