先日、上野の「旧岩崎邸庭園」に行ってきました。
旧岩崎邸庭園とはなんぞや、と思われた方のために、Wikipediaの記述を引用します。
旧岩崎邸庭園(きゅういわさきていていえん)は、東京都台東区池之端一丁目にある都立庭園である。三菱財閥岩崎家の茅町本邸だった建物とその庭園を公園として整備したもので、園内の歴史的建造物は、国の重要文化財に指定されている。
Wikipedia, 『旧岩崎邸庭園』
上野まで足を伸ばすのは三年ぶりかも。今の東京は、どこに行っても外国人ばかりが目に付きますが、旧岩崎邸庭園では、一人の外国人も見かけませんでした。上野の穴場かも。
旧岩崎邸庭園は明治29(1896)年に岩崎彌太郎の長男で三菱第三代社長の久彌の本邸として造られました。往時は約1万5,000坪の敷地に、20棟もの建物が並んでいました。現在は3分の1の敷地となり、現存するのは洋館・和館、撞球室(どうきゅうしつ)の3棟です。(パンフレットより)
旧岩崎邸への路を歩いて行くと、強烈な花の香りが漂ってきました。最初は、マグノリアかと思うほど強烈で良い香りです。
これは何の花の香なのだろう?
旧岩崎邸を見学した後、庭園を散策していて見つけました。香の正体は、とても小さな花でした。Googleレンズで調べると、「モッコク」の花だと分かりました。庭の手入れをされている職員の方も「モッコク」とおっしゃっていたので間違いありません。
とても小さい花なのに強烈な香を放ちます。岩崎氏が好きな花だったそうです。
管理人は「マグノリア」の香に似ていると感じたのですが、「マグノリア」は日本では「タイサンボク」と呼ばれています。香水の原料にも使われるようです。
マグノリアの葉はとても大きく、1枚の長さが30cm以上あります。そして、花もとても大きいのですが、通常は見ることができません。地上から5メートル以上の木の上部で咲く花なので、地面にいる人からは見ることができません。
上の写真は、管理人がボリビアで撮影したものです。モッコクよりも上品で強烈な香を放ちます。マグノリアに関心を持たれた方は、当サイトの姉妹サイト「南米植物写真集 プランタス」をご覧ください。
旧岩崎邸の内部は、原則、撮影できません。撮影できない理由や根拠についての説明はありません。重要文化財なので、フラッシュによる壁紙の劣化やシャッター音を不快に感じた人からクレームがあったことなどを根拠にするのでしょうが、何とも納得できかねる状況です。小池都知事が何とか改善するようなことを言っていましたが、有言不実行の状況ですね。
というのは、外国の美術館などでは、どこも写真撮影ができたと思います。ルーブル美術館でも、フラッシュを使わなければ常設展示は撮影可能です。たくさんあるスミソニアンの各施設でも写真撮影できました。
日本の美術館などでは写真撮影を一切禁止している施設がほとんどのようです。日本だけが禁止している写真撮影という感じです。重要文化財だからということを根拠にしている管理者側の横暴のように感じます。
しかし、最近、他国の文化を意にも介さず傍若無人に振る舞う外国人YouTuberが増えているので、重要文化財の写真撮影禁止の対応は、時代を先取りしたものなのでしょう。皮肉ですが。
旧岩崎邸は、一見、こぢんまりとした建物だと思いましたが、中に入ると結構広い。こんな広い屋敷を所有したら、お掃除ロボットを100台購入する必要がありそうだと思いました。
実際に、掃除する人は大変だと思います。
旧岩崎邸の建築面積は、160坪(529㎡)。ルンバは112畳(185㎡)まで対応可能なようです。すると3台のルンバがあれば事足りる? でも、ルンバが越えられる段差の高さはわずか2cm。やはり、部屋ごとにルンバが必要です。そして、電池切れで給電装置までたどり着けずに停止したルンバが長い廊下のあちこちにうずくまっている。古い建物なので、コンセントの数は限られています。ルンバを導入するには、コンセントの増設工事が必要でしょう。
旧岩崎邸の二階の一部と三階部分は非公開になっています。柵で仕切られたそこへ通じる通路にはホコリがたくさん見えます。掃除しないとこんな感じなのかと思いました。
このことは、逆に、公開している施設はどんだけきれいに掃除しているんだ! という驚きに変わります。施設を管理している人は本当に大変だと思います。
洋館は、ジョサイア・コンドルの設計により、明治29(1896)年に完成。17世紀の英国ジャコビアン様式の見事な装飾が随所に見られ、・・・、とパンフレットに書かれていますが、建築様式に関心のない管理人にはどうでもよいという感じです。
一度は行ってみる価値がありそうな施設だと思います。上野にお出かけの際は、ちょっと立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
そういえば、品川駅から徒歩15分くらいに「旧岩崎邸高輪別邸「開東閣(かいとうかく)」というものがあります。一般公開されていませんが、誰の所有なのでしょうか。Wikipediaには、「三菱グループの倶楽部として使われている」とあります。固定資産税だけでも膨大!
きっと、税の抜け穴があるのでしょう。高輪の一等地。なんでこんな国民の役にも立たない土地を三菱が所有しているのか。高額な固定資産税を賦課して手放すように仕向けるのが政治というものでは、と思いました。