「教師とライオン使い、研修医を同一賃金に」というニュース|どうやってライオンを使うんだ?

 2021年1月1日、AFPBB Newsが配信した記事「教師とライオン使い、研修医を同一賃金に キューバ経済改革」 のタイトルを読んで、興味を覚えました。

 この「 ライオン使い、 」がとても奇妙に思えたからです。記事を読んでもライオンは出てきません。

 教師とライオンを使い、研修医を同一賃金にするってどういうこと? キューバなのでできるのかも。そもそもキューバにライオンっているのだろうか?

 この「ライオン」って「オンライン」の誤植では? などと考えました。

 ライオンをどう使うのか知りたかったので記事を読んだのですが、記事の中にライオンがでてこない(涙)。

 ますます興味が湧いてきました。そこで、原文を調べます。

 すると、原文のタイトルは『Teachers And Lion Tamers Get Same Wage Under Cuban Reform』で、確かに日本語版のニュースタイトルと同じです。

 では、なぜ、管理人が疑問に思ったのか。

 Lion Tamers(ライオン調教師)を日本語記事では「ライオン使い」という訳にしたのが誤解の源だと判明しました。

 この記事を翻訳して日本語記事にした方は、日本語には無頓着の方のようです。

 なぜ、「ライオン調教師」ではなく「ライオン使い」としたのでしょうか。

 このようなあやふやな日本語は日本の大手報道機関ならやらないでしょう。二つの意味にとれるような書き方は避けるはずです。「ライオン調教師」とするだけで読者の誤読が避けられる。記者たちはとうぜん、そのような訓練を受けています。

 これが記事タイトルではなく、文中に使われていたとしたら、「ライオン使い」を「ライオン調教師」と理解できたはずです。「使い」を動詞にするには、「教師とライオン を 使い、」と「を」が必要になるからです。だから、文中で「を」がない時点で「使い」は「名詞」だと気づき、誤読は起きません。

 ところが、記事タイトルの場合、助詞を省くのは当たり前。このため、管理人のような読み方をする人が出てきます。

 これって、管理人がおかしいのでしょうか。AFPBB Newsの翻訳者がおかしいのでしょうか。

 もう一つ気になったのが、原文では、次の2文節があるのに、日本語版では削除されていること。


This happens when the country is upset by the tightening of sanctions imposed by US President Donald Trump’s administration and the reduction in tourism and remittances due to the coronavirus pandemic.

Teachers And Lion Tamers Get Same Wage Under Cuban Reform Source link Teachers And  Lion Tamers  Get Same Wage Under Cuban Reform”

 これが省略されたためにライオンが出てこない奇妙な記事になっていることが分かりました。タイトル倒れの記事です。

 日本語で配信するのであれば、タイトルを変更するか原文のまま省略せずに翻訳すべきだったと感じました。

 今回の記事は、はっきり言ってどうでも良いことなのですが、最近、このような事例が多く見られることに危惧しています。記事タイトルの意味が不明、あるいは記事タイトルと記事の中身がまったく違う。そんな記事が横行しています。タイトルで煽りに煽ってまったく中身のないニュース記事。

 新聞記者など訓練を受けた人は絶対書かないような今回の記事タイトル。結局、翻訳者任せで、会社としてまったくチェックしていないということなのでしょう。

 そういえば、この記事を配信したのは、世界三大通信社のひとつであるAFP通信。大手なのにこれでは困りますね。
 
 今回は「ライオン」の話だったので大きな問題にはならないのですが、このような問題意識もなく記事を配信し続けると、必ず大きなヘマをやらかします。