損傷の激しい写真の修復と動画作成のサンプル

 「カラパイア」を見ていたら、『1900年代ルーマニアに残されたガラスネガ写真がひび割れすぎてものすごくホラーめいていた。』という記事が目にとまりました。

 たくさんの写真が紹介されているのですが、管理人が気になったのが下の写真です。

 

Source: vintag

 何ともすさまじい破損です。通常の紙焼きした写真の損傷ではなく、ガラス原板の破損。ガラスが割れているものもありますが、使われている写真乳剤の変質によるひび割れもあるようです。

 ルーマニアの戦争写真家コスティカ アクシンテ (Costica Acsinte, 1897–1984) が残した写真原板は、5000枚に及びます。ガラス原板を使って撮影されたのは1935 年から 1945 年にかけて。ルーマニア南部のスロボジア周辺で撮影された写真のようです。

 世界中の写真修復マニアの方が、この写真を使って修復を試みています。

 このタイプの写真修復は、通常、Photoshopを使って行いますが、なかなか手強い。右目と鼻の部分が欠けているので、これは、他の画像から貼り付けて修復することになります。

 Photoshopを使って、ざっくり修復するとこんな感じになります。

 

  さらに手を加えます。

 だいぶいい感じになってきました。ついでに、色を付けます。

 処理としては、大体こんな感じでしょうか。一部のパーツを大きくしています。

 最後に、動画を作成します。

 元画像と雰囲気が違う感じに仕上がりましたが、今回は、手順を覚えることだけ考えていたので、全く気にしていません。

 ネットで探しても、これほど高品質の画像は見つからないかも。最初はPhotoshopを使いましたが、その後は、たくさんのソフトやオンラインサービスを使って作りました。Photoshopで一次処理しないと、どんなソフトを使ってもうまくいきません。手順が大切なのようです。

 最後に動画にするとき、仕上がった動画の口の部分がおかしいことに気づきました。原因は、口の閉じた部分が真っ黒に表示されていたため、AIが認識できなかったようです。このため、口を再構築しました。これにより、口の中まで綺麗に表現できるようになりました。

 このレベルの修復や動画作成が1時間程度でできる時代になりました。

 古い写真のゴミ消しは、通常、パッチツールを使います。YouTubeに公開されているほとんど全てのチュートリアルでもパッチツールでひたすらゴミを消すという作業をしています。

 この作業をやると腱鞘炎になるので、管理人はやりません。Photoshopのプロ達が、本当にこんな大変な作業をしているのだろうか。通常、プロ達はプラグインを作ると思います。ゴミの部分を選択する作業が大変だからです。

 管理人は腱鞘炎になりたくないので、別のソフトでゴミを簡単に消しました。

 最終版はこんな感じにしてみました。