盆踊りで流れる「ジンギスカン」の曲を聴いたことある?

 管理人が子供の頃、お盆の時期には小学校の校庭に櫓を組み、盆踊りが開催されていました。その時に流れていた曲が「ジンギスカン」。盆踊りと言えば「炭坑節」のような民謡が定番だった中で英語の歌詞の斬新なメロディは鮮烈でした。

 そして、時は過ぎ、姪たちの時代になります。盆踊りは継続して開催されていました。

 そこで変わらず流れていた曲が「ジンギスカン」。1979年、西ドイツのジンギスカンというグループが歌った同名の曲です。歌っているその中身は、あの「ジンギス・ハン」です。

 盆踊りで使われていたのはドイツ語版の原曲。たぶん、当時はドイツ語版のレコードしか入手できなかったと思います。

 ドイツ語版の歌詞の冒頭はこんな感じです。

(Hu ha, hu ha) 6回繰り返し
Sie ritten um die Wette mit dem Steppenwind
Tausend mann (Ha! Uh! Ha!)
Und einer ritt voran dem folgten alle blind
Dschinghis Khan (Ha! Uh! Ha!)
Die hufe ihrer pferde
Die peitschten den sand
Sie trugen Angst und schrecken in jedes Land
Und weder blitz noch donner hielt sie auf (以下略)

 管理人のようにドイツ語も分かる人(大嘘ですwww)は別として、普通の人は歌詞の意味が分からないはずです。

 さらに時は過ぎ、孫の時代になります。小学校の校庭で、あの曲は今でも流れているのでしょうか。

 この答えは、「No」です。いろいろな事情から盆踊りが行われなくなりました。何とも寂しい限りです。一番の原因は、小学校が廃校になったことです。

 では、現在、「ジンギスカン」は盆踊りで使われていないのでしょうか。

 2018年7月9日のYahoo知恵袋に「東京の方の情報提供お願いします! 東京の盆踊りでジンギスカンの曲を流してる所はないでしょうか?」という質問があり、回答者は、「東京ではジンギスカン流す文化はないと思いますよ。 それ名古屋 岐阜辺りだけ♪」と答えています。

 でも、この回答は間違っているようです。

 2022年港区・竹芝盆踊りというタイトルのYouTubeを観ると、2022年3月13日に確かに「ジンギスカン」を踊っています。

 また、2018年8月5日の「安城七夕まつり」でも「ジンギスカン」が踊られています。

 これの何が凄いか分かりますか。曲「ジンギスカン」が発表されたのは1979年のこと。今から43年も前の曲です。それがいまだに盆踊りの曲として使われています。

 日本では毎年、たくさんの新曲が発表され、人気の曲には大賞が”毎年”授与されます。しかし、その曲の多くは忘れ去られていきます。

 数年前、テレビ東京の「世界!ニッポン行きたい人応援団」という番組で、南米アルゼンチンのラプラタで開催された盆踊りのシーンに「ジンギスカン」が流れていました。

 1979年当時の音源は、レコードが一般的でした。盆踊りでは、レコードの音源が流されていました。というか、それ以外の選択肢などなかった。安価なテープレコーダーがなかった時代です。

 盆踊りでは「ジンギスカン」の曲で踊る。これは、東北では一般的です。岐阜や東京でも踊っているし愛知でも踊っている。

 西日本はどうなのでしょうか。とても気になっています。

 なぜ気になるのか。それは、「源義経=チンギス・ハン」伝説との関わりです。さらに、「源氏vs平家」の関係も注目されます。

 北日本は「義経崇拝派」が圧倒的に多いと思います。しかし、西日本、特に、山口県のあたりでは平家崇拝、というか源氏より平家が好きという人たちが多いのではないでしょうか。

 管理人の疑問は、山口県の盆踊りで「ジンギスカン」が踊られているのかということです。

 もし、踊られているとなれば、管理人の疑問は氷解します。しかし、踊られていない、あるいは、踊られたこともない、となれば、疑問が深まります。

 民謡とは違い賞味期限の短い、しかも外国の曲が、日本の盆踊りに取り入れられ、それが40年以上も続いている。これは、単なるメロディーの適合性だけでは説明できません。歌詞はドイツ語なので歌詞を聴いて踊っている踊り手など皆無でしょう。

 一つの仮説を立てると、それは、「義経」を連想させるから。

 この仮説を立証する手段も気力も管理人にはありません。