タイで発掘された巨人の化石というフェイク情報について|発信元はロシアか?

 台湾のクリエーター Tu Wei-cheng(涂維政)さんは、2019年2月28日まで開催された第1回タイ・ビエンナーレ(Thailand Biennale)のために考古学的発掘物のレプリカを製作しました。これは、巨人のプラスチック製全身骨格と巨大な蛇の化石をモチーフにしたものです。

出典:TAIWAN TODAY, “Taiwan artworks take center stage at Thailand Biennale in Krabi“、2018 年 11 月 6 日

(MOC 提供)

 この作品は、展示会終了後も常設展示されているようですが、現在の状況は不明です。

 トゥ・ウェイチェン(涂維政)氏とは

 トゥ・ウェイチェン(涂維政、TU Wei-Cheng)氏は1969年に台湾の高雄市で生まれ、今年53歳になります。

 2005年頃から「考古学的発掘の再現」をモチーフにした作品を造りはじめたようです。

 2021年9月4日から10月24日まで石川県珠洲市で開催された「奥能登国際芸術祭2020+」にトゥ・ウェイチェン(涂維政)氏による「クジラ伝説遺跡」が出品されました。

ロシア人の手にかかると涂維政の作品もオカルトにされてしまう

 最近、冒頭の巨人の発掘現場の作品が、タイのカオ カナプ ナム洞窟で発見された巨大な人間の骨格として記事に取り上げるフェイクニュースが多く出回っています。

 涂維政の作品を画像検索すると、ヒットするのはロシア語のサイトばかりです。多くのロシア語サイトで、タイで巨大な人間の骨格が発見されたと、まるで昨日発掘されたかのようにフェイク情報をばらまいています。

 そして、米国のUFO・超常現象サイトがこれに追随しています。

 このようなフェイクニュースを発信するサイトの特徴は、”facebook”を情報源とする書き方です。

 ロシアのサイトは、オカルトとは関係なく、政府の指示でフェイクニュースをばらまいているのかも知れませんが、米国の場合はどうなのでしょうか。フェイク情報を流すメディアにロシア系の資本が入っているのかも知れません。

 フェイク情報を流す人たちは、台湾人アーティストに対しとても失礼な行為をしています。芸術作品を発掘現場の写真として、クリエーターの名前を記載することなく虚偽の記事にする行為はアーティストに対する侮辱です。芸術家の作品を別のものとして紹介する行為は盗作と同じでしょう。訴えられますよ!

 こんなおバカなフェイク記事を日本のネット民は書かないと思いたい!

 残念なことにYouTubeで配信している人もいますが・・・。