日本人は英語が苦手で、日本に行っても英語が通じず苦労する、という偽情報を発信するメディアがいますが、これって本当なのでしょうか?
日本人が英語を話す必要性に駆られるのは、「道ばたでウィッキーさんに遭遇したとき」のためです。
ほとんどすべての日本人はウィッキーさんに会う機会はないので、英語を話せるようになる必要性がないわけです。
よく、英語を話せることを自慢している人がいますが、英語圏では子供でも話せます。何を自慢しているのか理解不能です。
日本人が他の外国語を話さない、あるいは話したくない理由は、日本語の複雑さにあります。東京育ちの一部の偏った日本人以外は、標準語と方言の両方を流暢に話すことができます。東北の人でも関西弁を比較的話せます。関西圏の人は基本的に東北弁を話せませんがある程度理解できます。
つまり、日本語の標準語、生まれ育った方言、他地域の方言、これをすべて理解できるのが普通の日本人です。帰国子女にはこれができないから、どこか日本人離れしていると感じます。漢字も読めないし。
日本は、東西約3000km、南北も約3000kmの長さがあります。地球の半径は6,378 kmですから、日本がとてつもなく大きな国だと分かります。地理的にこんな巨大な国は滅多にありません。東西南北に広大な国土ゆえ、話している方言がかなり異なります。
明治時代に江戸弁を基本とした「標準語」が作られるまで、日本語で話が通じないこともありました。発音も現代とは異なっており、現在の50音になるのはこの頃です。更に、変体かなも統一されていきました。また、話し言葉と書き言葉も統一されていきます。現在、書かれた文字の通りに誰でも発音できるのは、この当時の先人達の苦労のたまものなのです。
世界的に習得するのが最難関の言語とされる日本語。しかし、日本人は、何の苦労もなく、この言語を使えます。そして、微妙な違いから、話し手の出身地を当てることもできます。
日本の歴史は世界的に見てとても長い。しかし、それを覚えているのが日本人のたしなみ。更に、日本の文化は、重層的なので、どんどん積み重ねる形態を取ります。こんなもの、すべてを覚えることなど不可能ですが。
世界の多くの国の文化は、前の文化を破壊して新たに作るタイプのため、その歴史・文化はとてもシンプルです。Aの次はB、その次はC。これに対し、日本では、A、次は、A+B、その次は、A+B+C(ただし、不要なものはそぎ落とす)、という文化です。例えば中国は4千年の歴史など言っていますが、現在の中国は1949年 10月1日 に建国された新しい国で、文化を引き継いでいるわけでもありません。直近の例では、文化大革命により、多くの文化遺産が徹底的に破壊されました。中華人民共和国という国名も日本人が作り出した用語(和製漢字)を借用しています。国旗はソ連だし。結局、歴史は4千年かも知れないが、文化は引き継いでいないと言うことです。漢字一つとっても、漢字の歴史を無視して簡体字など平気で使っているのですから、文化など無関心なことが分かります。日本の方が漢字の歴史を理解し、当用漢字の見直しにおいても時間をかけて慎重に審議が行われます。その中で、簡体字を採用しましょうとは決してならない(www)。あんなもの、文化の片鱗すら感じません。漢字の成立・発展過程を無視し、文化的背景なく単に簡単にしただけの代物です。
中国で日常会話で使われている漢字の7割は和製漢語と言われる日本で作られた漢字です。大学の授業を自国の言語だけでできる国はほとんどありません。ほぼ、日本だけが英語を使わずとも大学で学ぶことができます。中国は、日本から輸入した和製漢字を使っているので問題外です。
一部例を挙げると、「医学、意義、遺伝、印象、右翼、演説、概念、会談、会話、解放、科学、活躍、関係、幹部、観点、間接、企業、基準、義務、客観、協会、共産主義、業務、緊張、軍国主義、警察、景気、経済、芸術、権威、権限、原則、原理、現実、公民、講演、工業、国際、階級、気質、規則、記録、教授、共和、具体、計画、現象、憲法、交通、綱領、交換、克服、最恵国、債権、雑誌、時間、刺激、市場、指導、支配、実権、実業、質量、資本家、資料、社会主義、宗教、集団、重点、重工業、主観、出発点、消費、商業、情報、承認、信号、信託、成分、制限、政策、政党、性能、積極、絶対、総合、総理、速度、左翼、主義、侵略、生産、自由、節約、信用、思想、資本、社会、消極、条件、世紀、精神、組織、素質、体育、体操、大局、代表、対象、立場、単位、抽象、直接、通貨収縮、通貨膨張、哲学、電子、電波、電報、電流、電話、伝染病、展覧会、手続、取消、動員、投資、独裁、特権、投機、知識、登記、内容、任命、日程、年度、能率、能力、背景、覇権、派遣、反響、反応、広場、美術、否定、服務、本質、発明、反対、分配、分析、保障、悲観、物理、文化、文学、文明、法則、法律、保険、方針、無産階級、目的、目標、身分、民主、唯心論、唯物論、輸出入、要素、予算、理想、理念、了解、領海、領空、領土、倫理、冷戦、論壇、論理学、理性、理論」。和製漢語を使わずに大学の授業が不可能なことが分かると思います。
更に、中国の漢字は、ほんの一握りの人しか読めなかったという事実。科挙で優秀な人を徴用したというのは誤りで、漢字を読める人を選抜したということが正しいようです。何しろ、漢字は一つ一つ独立しており、その文字の意味が分かっても、それをどう発音するかは分からない。読み方は一字一音一音節と決められていました。当然、地域によっても発音が変わってきます。日本語では、古代の文献でさえ、カタカナか平仮名でルビが振られています。ところが、漢字の場合、ルビを振ることができない。このため、1950年代にピンインが発明されるまで、一般の中国人は、文章を読むことができなかったのです。更に、ピンインはアルファベットを使っています。中国4千年の歴史と言っても、この程度と言うことです。4千年かかっても国民が漢字を読めるように進化することはなかったのです。
更に、日本の漢字には、漢字の読み方には、呉音(ごおん)、漢音(かんおん)、唐音(とうおん)などがあり、同じ漢字でも読み方が異なります。この「唐音」は唐時代とは関係ありませんが。
呉音は5~6世紀頃に中国の揚子江下流域の音とされ、その音を現代まで伝えているのは日本語なのですから、日本語がいかに優れた言語であるかが分かります。カタカナと平仮名を使い分けることでその読み方を示すルビを振るなど自由自在。
重層的な文化という複雑怪奇な文化を何の支障も無く継承しているのが日本人です。需要がなく、価値がないと見捨てられた文化を再度復活させるということもお手のものという驚異的な人達です。
日本人がなぜ英語が苦手なのか? その答えは、必要ないからです。日本の重層文化の中で、英語は継承すべき地位を未だ獲得していないと言うことです。英語を話せなくても誰も何も困りません。テレビ局にだって入社できますwww。「Youは何しに日本へ」という番組のスタッフでさえ英語ができず、通訳を雇っている有様です。世界的に笑える番組になっています。外国人にインタビューする番組で、英語の通訳を使っているのは日本くらいでしょう。管理人が見ても驚くほど英語さえできないスタッフ達。本当に、「英語さえできない」のですから驚きます。英語ができなくてもテレビ東京の採用試験は受かる。外国語を重視していない証拠ですね。
日本にいる日本人は、英語を話す機会は皆無です。もし、外国人に道を聞かれたら? その場から逃げましょう!
日本に来る前に、日本語を勉強してくるのが当たり前のこと。英語は世界共通語、という誤った認識を持っている人達がいますが、そんなことはありません。アメリカには英語を話せない人達がたくさんいます。アメリカ人なのに英語ができないの? この発想は差別的なものです。
管理人の感覚では、ロスとニューヨークを結ぶラインより南、さらに南米大陸ではスペイン語で話が通じます。管理人はアメリカでもスペイン語で話していました。その方が楽なので。エジプト、トルコ、ラオスに行ったときは英語が通じず苦労しました。ラオスではスペイン語で会話できました。キューバに留学していた人がたくさんいました。
「日本ってどこにあるの? 中国の一部?」と思っている人達が世界中にたくさんいます。
なぜ、日本にいる日本人が「英語」を話さなければならないのか、管理人には全く理解できません。英語は世界共通言語ではありません。日本は「日本語」を使う国なので、日本に訪問する外国人は、日本語の準備をすべきです。そして、なぜ、日本人が英語を話さないのかを学習すべきです。
数の数え方の複雑さも知るべきです。魚は一尾、二尾。しかし、イカは一杯、二杯? 違います。イカが生け簀などで生きているときは一匹、二匹で、市場では一杯、二杯になります。この違いを英語で説明できる人はいるのでしょうか。なぜ、英語を使う必要のない日本人が、こんな翻訳不可能な数詞についてまで英語で説明する必要があるのでしょうか。そもそも、必要がないのです。
外国人から見て気が狂うほど難解で複雑な日本語。歴史の長さと文化の重層性による複雑な歴史・風俗・習慣などの情報。これを知りたいのなら、謙虚に日本の文化に学ぶべきでしょう。そのためには、(英語などほぼ使う機会のない)日本人に英語習得を求めるような発想ではなく、「日本に行くのなら日本語を学習してから」という方向付けが大切なように感じます。今は、翻訳アプリがあるので誰も困りませんが。
日本語は難しいのですが、初心者が学習するのはとても簡単な言語です。極端に少ない五つの母音、明治時代に整理された「50音」さえ習得すればあとは簡単。とても取り付きやすい言語です。日本語はどんな語順でも意味が通じます。片言で話しても普通の日本人なら、「日本語がお上手ですね」と褒めてくれます。その後には、外国人学習者を地獄に落とす仕掛けがたくさんありますが。いつまで経っても日本語が上達しない外国人には辛辣なコメントも。
YouTubeを見ていると中国人「むいむい」さんのような完璧な日本語を話す人がいて脱帽ですが、それ以外は見たことがない。どんなに日本語を勉強しても、日本の文化を理解していないと外国人でしかない。「むいむい」さんの動画を見ていて感心するのは、日本語の文法をしっかり理解していること。ところが、当の日本人はというと日本語の文法など誰も知らない(www)。難しすぎて誰も説明できません。それなのにほとんどの人が正しい日本語を話せるし、微妙なニュアンスの違いにとても敏感に反応します。
中国人「むいむい」さんの日本語は完璧なのですが、気になるのは字が下手くそだと言うこと。まるで小学生が書いたような文字です。彼女だけかと思ったら、台湾出身の「ねいねい」さんも下手くそ。どうしてなのでしょうか。頭が良いことと筆記も字の上手下手は別物のようです。
別の側面から見ていきましょう。
管理人が学生の時、学食で昼食を食べていたマレーシア人留学生が、ご飯に箸を突き立てました。それを見た同級生達が一斉に批判したのが印象的でした。留学生は、「日本は面倒くさいね」と言っていましたが、日本の慣習上、許される行為と許されない行為があります。全国から集まっている同級生が一斉に「それはやめろ」と指摘したのが印象的でした。
インバウンド訪日観光客が増加し、「おもてなし」と誤解させる論点で英語で対応することが重要なような風潮が流れていますが、これっておかしな事だと思います。観光立国スイスに行って、なぜ、日本語が通じないのかと怒る日本人がいますか? 英語は世界共通語だから? もしそう主張したいのなら、その根拠を最初に示してください。
主食は? と聞きたがる日本人。期待する答えは、パン、パスタ、芋なのでしょうが、世界の国々には日本人が期待するような答えとは違う食文化があります。日本の中でしか生活したことのないメディア担当者の偏見に満ちた番組作りには辟易します。いつまでたってもこんなことをメディアで流しています。発想がステレオタイプなのです。
インバウンド訪日観光客って、一般の日本人にとって迷惑でしかありません。観光収入があるのなら、国民に還元してください。そして、それを具体的数値で示してください。
迷惑行為をする観光客の筆頭は中国人。増加している観光客数も、総観光客数も中国人が圧倒的です。
結局、メディアの情報がおかしいことに気づきます。インバウンド対策なら英語ではなく、中国語を日本人が勉強すべきでしょう。それは数字が物語っています。何を報道しているのでしょうか。実態の(訪日観光客の)数値と英語との関連性が分からない。
本来なら、「日本では「日本語」が使われており、これこそが日本の誇りです。訪日観光客は日本語の知識を持って訪日しましょう」、と伝えるべきです。
結局、メディア得意の偏向報道と国民誘導型の報道なのでしょうか。
日本人は、英語で話す必要がありません。最高学府の教育も日本語で学びます。こんなことができる国は世界的に見て限られています。上で述べたように、アメリカには、英語を話さない人達がたくさんいます。つまり、彼らは、アメリカのハイクラスの教育システムからは隔離されていることになります。
上で紹介した英語を話せる帰国子女の日本人。実は、日本語がまともに話せない、という事実をご存じですか? 彼らの話す言葉は正しい日本語ではありません。優しい日本人はそれを指摘しないから、彼らは日本語を話せていないことに気づきません。結局、完全に日本語を習得するためには、日本の義務教育を終えているのが最低限の条件のように感じます。
日本語は一人称を表す言葉が多いことが話題になっていますが、問題はそれだけではありません。もし、「拙者」という一人称を使うのであれば、その後の言葉を整合させる必要があります。「俺は行ったのでござる」などと言えば笑われます。「わらわは、ちょー楽しい」も同様。
外国人が一人称を使い分けられるか、一度、見てみたいことですね。
あなたはどの宗教を信仰しているの? と聞かれたら、「無宗教」です、と答えると相手に誤解を与えます。そんなときは、次のように答えましょう。
「日本には、神社仏閣が約15万8000カ所以上あるとされています。これはコンビニの店舗数(約5万6000店以上)の3倍近くの数です。」「更に、日本全国に約16万基の古墳があります。 1,500年前から残されてきた文化財です。」「日本ではあまりにも歴史が長いため、特定の宗教の信者だというと変質的で心の狭い人間だと思われるので、誰もその質問にはまともに答えません。これが日本人の常識です。あえて言うのなら、宗教は長い歴史の中ですでに昇華され、日本人の心の一部になっている、と言うことでしょうか。心の依り代としての神社仏閣が近くにあればそれだけで十分です。」と。