最近、中国語のサイトを閲覧する機会が増えました。何かと話題の多い中国ですが、中国国内の報道がどうなっているのか気になることもあります。
英語はともかくとして、中国語で書かれたサイトを閲覧するには、やはりGoogleのページ翻訳が役に立ちます。というか、現在の所、ページ翻訳ができるWebサービスはGoogleしかありません。
ところで、GoogleのWeb翻訳が正しければ何の問題もないのですが、Googleの翻訳エンジンはとても困った翻訳をするときがあります。それは、「そんな文章は見なかったことにする翻訳」です。
恐ろしいことに、文節を丸ごと無視して、その前後をつなぎ合わせた素敵な日本語を創り出します。これがどれほど恐ろしいことか、少し考えれば分かります。
この問題点は、過去記事で具体的な事例を示して説明しました。
今回は、その対策を考えてみます。
Googleページ翻訳を読んで、綺麗な日本語になっている。そう思ったあなたは、大きな勘違いをしています。Googleページ翻訳を信用してはいけません。
管理人は、根拠のない、あるいは根拠を示せない政治陰謀論は無視しますが、Google翻訳のエンジンに手を加えるだけで、簡単に世論を誘導できるツールになる可能性には危惧しています。
そこで重要となるのが、翻訳のクロスチェックです。
代替サービスがないのにどうすればより正しい翻訳を閲覧できるのか
大部分の日本人は、義務教育で英語を勉強しているので、日本人には英語を話せない人などいないと思います(笑)。
日本人は、元々、バイリンガル。青森県出身者は、津軽弁と標準語を何の不自由もなく話せます。関西弁を話す人たちも、標準語を理解できます。若者たちは、標準語、関西弁のどちらでも自由に話すことができます。津軽弁と薩摩弁は本当に同じ日本語なのかと思うほど違います。
日本人は、実はバイリンガルなのです。小さいときに外国に住んでいないと英語を話せるようにはならない、などは嘘っぱちです。
この話は、後日書くとして、今日は、翻訳のお話。
海外勤務が長かった管理人が訪れた国の中で言葉に困ったのがエジプト、中国、トルコでした。これらの国は、少なくとも田舎のお店では英語が通じない。
管理人は英語とスペイン語を少し話せるので、アメリカ大陸で言葉に困ったことはほとんどありません。しかし、この2言語の範囲外の国ではまったく歯が立たない。
今さらいちから言葉を覚える気力も無く、Google翻訳に頼ることになります。
翻訳を読んでも意味が分からない
2020年9月3日に池田七帆ちゃんが投稿した記事が次のものです。
これをGoogleページ翻訳にかけると、次のようになります。
意味は何となく分かるような気がするのですが、よく読むとさっぱり分からない翻訳になっています。
「おばさん」って誰? 七帆ちゃんのおばさんが駅のホームに迎えにきていたの?
さて、これを「Baidu翻訳」で翻訳すると次のようになります。
なーるほど! 七帆ちゃんはこんな事を書いていたのか。Google翻訳とは内容がまったく違うことがお分かりでしょう。
そもそも、「犬のフン」をGoogle翻訳では「たわごと」と訳しているため、何のことか分からない。電車の座席を「スツール」とは絶対に言いません。この誤訳も読者を惑わせる原因となります。
さらに、「掃除のおばさん」の「掃除の」の部分を翻訳しないため意味不明の翻訳になっています。Google得意の「そんな原文はなかったことにする翻訳」です。
このように見ると、翻訳機能は、「Googleページ翻訳」と比較して「Baidu翻訳」の方がダントツに優れていることが分かります。
ところが、そんな単純なものではありません。原文の内容によっては、「Baidu翻訳」より「Googleページ翻訳」の方が勝っている場合もあります。
また、「@nifty翻訳」や「bing翻訳」の方がまともな翻訳をしている場合もあります。
つまり、翻訳エンジンの比較をおこない、その翻訳のいいとこ取りをすれば、より正しい翻訳に近づけることが可能です。
でも、どうやって比較する? 実は、この各社の翻訳エンジンの翻訳結果を一覧で表示できるサービスがあります。
六つのオンライン翻訳サイトの結果を一気に表示できる「キュート007」
「Cute007(キュート007)横断翻訳ツール」では、一流のオンライン翻訳サイトの翻訳結果を一気に表示することが可能です。
今回の七帆ちゃんの記事を「キュート007」で翻訳すると、以下のように表示されます。
この翻訳結果で、Google翻訳のところが、「懸命に探しましたが、みつかりませんでした。下のアイコンを押して、もう一回試しましょう。」となっています。このようなエラーが生じることがたまにあります。こんな時は、説明にあるように、アイコンを翻訳結果が表示されるまで何度か押すと良いでしょう。それでも表示されない場合は、直接、翻訳サイトを開いて翻訳するしかありません。
今回の事例では、意味の分かる翻訳ができたのは「Baidu翻訳」だけです。他の翻訳エンジンはまったく意味不明の翻訳です。
中国語の翻訳だから「Baidu翻訳」が強いのは当たり前と思ってしまいがちですが、実はそうではありません。中国語の翻訳でも「Baidu翻訳」よりも他社の翻訳の方が優れている場合も多く見受けられます。
だからこそ、数社の翻訳サービスを比較することが重要となります。
「Cute007」で比較翻訳できる言語は、英語、中国語、韓国語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、の七つの言語です。残念ながらロシア語は入っていません。
ロシア語の翻訳はとても難しく、Google翻訳で意味不明だとほぼお手上げ状態です。
なお、「DeepL翻訳」で今回の例文を試してみましたが、やはり意味不明でした。
翻訳サイトのリンクを調べるのに手間がかかる
「Cute007」では六つの翻訳サイトのみ比較翻訳可能です。
でも、別の翻訳サイトとも比較したい。そんな時は、下のリンクを活用してみてはいかがでしょうか。管理人が適当につくったものです。
各翻訳サイトへのリンクと、翻訳結果をコピーペして比較するためのテキストボックスがあるだけのページです。別の翻訳サイトを登録したいときは、表示ページをダウンロードして、エディタで開いて追加して下さい。どこに追加すれば良いかは直ぐに分かるはずです。
上のリンクをクリックすると別ページに下のようなページが開きます。各翻訳サイトのリンクをクリックして開き、翻訳したら、結果をテキストボックスにコピーペします。この繰り返しで、翻訳の比較ができます。通常は、Wordなどに翻訳結果をコピーしたりして比較すると思いますが、すべてブラウザ上でできるのが便利かなぁ、と思います。
この機能は、「こんにゃく翻訳」というサイトと翻訳サイトへのリンクがある点、似ています。しかし、「こんにゃく翻訳」では、各翻訳サイトの翻訳結果の比較ができません。
人それぞれ翻訳する目的が違います。管理人は、翻訳サイトを比較して、より正確な翻訳のいいとこ取りをしたい。このため、テキストボックスにして、翻訳結果をコピーペして比較し、さらに翻訳のいいとこ取りをして、修正を加えることで、より正しい翻訳にできるようにこの方式を考えました。すべてブラウザ上でできることが最大の利点です。