古代の海面低下って具体的にはどうなっているの?|歴史学者が図示できない謎に挑む!

 古代の海面の高さはどのくらいだったのでしょうか。

 歴史学者が決して触れられたくないのがこの海水面の高さです。

 歴史学者の書籍を読むと、「当時の海水位は現在より○○メートル低かった」などと、何ら出典を示すことなく持論を展開します。

 この海水面の高さが論文の主張の骨格となる重要なキーワードとなっている場合であっても、その記述は同じです。明確な出典を示すことができないと言うことが、彼らの記述から分かります。何ともお粗末。

 古代の海面の高さは歴史上の様々な部分で重要な要素となります。たとえば、大陸から最初に日本列島に渡った原日本人は、船を使ったのか、あるいは、陸橋を渡ってきたのか。

 時代は下って、卑弥呼の時代。当時の港はどの位置にあったのか。

 これらは、海水面の高さを抜きに語ることはできません。

 ところが、何ら出典を示すことなく、当時は海水面が○○メートル低く、・・・、という記述をする著者がたくさんいます。そして、その水位における入り江の形状を図示することすらせずに、文字だけで持論を展開します。

 歴史学者がこのようなことが苦手なのは分かりますが、国交省OBで技術職であった長野正孝氏(古代の技術を知れば、『日本書紀』の謎が解ける)まで同じ書き方では困ります。この人、本当に技術者?

 なぜ、誰もこの問題に触れないか分かりますか。それはとても難しいからです。

NASAならできる

 地球規模の海面上昇など、この分野にど素人の歴史学者にとって専門外のことでしょう。だから、誰かが書いた文言を出典も示さずに引用するという苦肉の策に出る。

 分からないのなら、専門家に聞けばいいのに。

 その専門家とは、やはり、NASAでしょう。

 惑星科学者のDr James O’Donoghue氏がYouTubeに、興味深いアニメーション動画をアップしています。

 「地球の海を排水し、私たちが見ることができない地球の表面の3分の2を明らかにする」という動画です。つまり、現在の海水を徐々に排除していくと、地形はどのように変化するかをアニメーションで表しています。


 Source: “Draining Earth’s oceans, revealing the two-thirds of Earth’s surface we don’t get to see”、YouTube、Dr James O’Donoghue、2019/12/12

 海水位がどのくらい低下すると、日本列島と大陸が陸続きになるのかをこの動画は明確に記しています。

 ところが、日本列島がよく見えない! 日本列島は、まさに極東に位置するため、世界の中では隅っこにある日本!

 そこで、日本の部分を拡大したGIFを作ってみました。


 

 本来であれば、年代ごとの海水位との対比が必要となるのですが、今回はとりあえず版としてアップします。

 たぶん、誰も見たことのない動画です。歴史学者が切望した動画でしょうね。

 海水面が-400メートルになっても千島列島が陸地化しないのが興味深い!

 これに対し、樺太は直ぐに陸地化します。朝鮮半島との陸地化よりもかなり早い。このことは、日本列島への最初の移民は、北方ルートが有力であることを示しています。

 そして、海水面の高さからその時期が特定できる・・筈です。 

古代からの海面水位の推移


 Source: WIKIMEDIA COMMOMS

 この図は、フレミング(Fleming)らのデータに基づいて、最終氷期の終わりに海面が上昇したことを示しています。

 横軸の単位は1000年。これを見ると、1万5千年前から急激な海面上昇が始まり、6千年前あたりで現在の海面水位になっています。さて、現在はというと、6千年前とあまり変化がない。あったとしても2、3メートル程度のように見えます。

 地球温暖化に詳しい方は、このグラフがおかしいと主張したいのだと思います。しかし、地球温暖化警鐘サイトは、とても意図的なデータを使っています。グラフのスタートは1880年。なぜ、この年がグラフの始まりなのかは説明していません。


Source: NOAR, Climate.gov

 このグラフの縦軸の単位は、何とミリメートルです! そもそも海水面の測定誤差が大きいため、ミリメートル単位の値にはほとんど意味がありません。

 我々が知りたいセンチメートルやメートル単位で表示すると、このグラフはほとんど平らになります。

 産業革命による二酸化炭素の排出量の増加をその根拠にしたいらしいのですが、そもそも産業革命は18世紀半ばから19世紀にかけて起こった一連の産業の変革を指します。なぜ、1880年なのかの説明になっていません。

 このグラフは、近年、海水位が急激に上昇し、近い将来、海抜数メートルの地域は海面下に沈む、という誤った発想を閲覧者に抱かさせるために仕組まれたフェイクグラフです。

 なぜそう断言できるのか。

 その証拠に、管理人が生まれ育った海辺の町の水位は、50年以上前とまったく同じです。干満の差で、満潮時に潮がどこまで入ってくるのかを知っている管理人にとって、このグラフはフェイクだと断言できます。50年前とほとんど変化はありません。ただし、地震による地盤沈下で海水面が見かけ上高くなっているという印象を受けますが、それを考慮すれば、実際の所、海水面の上昇はまったく感じません。

 どんな科学的データを示されても、管理人の意見は変わりません。海水位は50年前とまったく変化していないのです。

 オセアニアのエリス諸島に位置する「ツバル」。地球温暖化の影響による海面上昇で国が沈むというセンセーショナルなフェイクニュースが流された国です。しかし、日本で海面上昇が起きていないのに、ツバルが沈むはずはありません。

 この謎の答えは、Wikipediaに書かれています。

ツバル、Wikipedia
しかし、2010年代の調査ではむしろ面積が増加した。海岸侵食と洪水の原因は、米軍が埋め立てた沼地に人口が集中し浸水したこと、生活排水が増加し有孔虫(殻が堆積することで海岸を補強する)が減少したことなどに原因があったとみられている。もっとも本当に海面上昇した場合にこのように弱体化した海岸が脆弱であることには変わりがないと言われる。

 ネット上で「ツバルが沈む」などとフェイク記事を発信しているサイトを多く見かけますが、ステレオタイプの人たちの記事のようです。

 地球温暖化を主張する人たちが絶対に語らないことのひとつに、「南極の氷が増えている」という事実があります。

 これは、地球温暖化説を唱える人たちの主張を根底から覆すものです。

 海水面が上昇する原因は、陸氷が溶け出したときだけです。北極海の氷が多くなっても少なくなっても海水面水位にはまったく影響しません。

 海水面上昇に影響する陸氷があるのはグリーンランドと南極だけです。

 ところが、南極大陸の氷は増大しているという観測結果が公表されました。地球温暖化が加速していると主張する人たちにとって、とてつもなく不都合な観測データが公開されました。

 地球が温暖化しているのなら、南極の氷が増えるはずなどないからです。それに反論すると、自説の根拠が危うくなります。

 私たちが注意すべきことは、ど素人のマスコミの報道に踊らされないこと。さらに、国連などに所属する根無し草の学者の発言は疑ってかかること。米国の大学教授の論文・発言は重要ですが、国連の研究者の発言・論文はすべて疑いの目で見るべきです。かれらは次の職の確保に余念がない! この意味で、トランプ大統領の判断はピント外れではないような気がします。

 この記述を読んでも納得できない方もいるでしょう。

 「ベネチアの水没は海面上昇が原因」とマスコミが報じていますよね。

 これがフェイクニュースなのは少し調べれば分かります。(地球温暖化による)海面上昇とは関係ありません。完全にフェイクニュースです。そもそも海面上昇が原因なら、日本でもその影響があるはずなのに、そんな話は聞いたことがありません。

 ベネチアの水没の原因となったのは、北アフリカから吹き付ける季節風シロッコ」が吹き付けることから起きる「高潮」の影響のようです。

 これを意図的に地球温暖化の影響と報じるマスコミは、まるで戦時中の大本営発表をそのまま報じているように感じます。体育会系ばかり採用したマスコミの末路のように感じます。

 繰り返しますが、少なくとも、日本では、海水面の上昇はここ50年間ありません。ベネチアが地球温暖化の影響で水没するのなら、東京ディズニーランドも水没しています。こんなことも分からず地球温暖化の影響として報じる記事を書く記者の良識を疑います。その記事を発刊する会社のチェック能力の欠如に唖然とします。

 本当に怖いのは、このようなフェイクニュースが繰り返し報道されることで、それを信じる人が増えることです。だぶん、それはアナタ! かも。

 頼りのネット民も沈黙しています。良識あるネット民はどこに行ったのでしょうか。

参考:
 「海水を抜いたら何が見える?―海底山脈と古代の陸橋がアニメーションで明らかに