ナレーションAIはいろいろあるけれど、これってどうやって作った?

 AIを使った技術の進化が著しい、というか凄いことになっていると感じます。

 YouTubeを見ても、アバターが普通にしゃべっているし。

 気になるのは、「これってどうやって作ったの?]ということではないでしょうか。

 アバターがナレーションするアプリはいくつも公開されています。そこで、いろいろ使ってみたのですが、無料で試せるアプリがほとんどない。無料と言いながら、機能を確認する以前にクレジットが終わってしまうようでは困ります。

 いろいろ試して、管理人が気に入ったのが「Vidnoz AI」というソフトです。他の類似サイトと違い、とても使いやすいと感じました。

 そこで、「Vidnoz AI」で作った動画をYouTubeにアップしました。

あれっ? と思ったあなたは、もう一度見たくなる(笑)

 まず、この動画のコンテンツを説明します。

 ナレーションをしてくれている女の子の画像は、Copilotにお願いして生成したAI女子高生です。

 背景のシーンは、ボリビアのスクレで毎年開催されるグアダルーペのお祭りのパレードを管理人が撮影したものです。

 そして、女の子がしゃべっていますが、これは「Vidnoz AI」というサイトで作ったものです。

 

YouTube動画の制作手順

 YouTubeにアップした動画を見て、「あれっ?」と違和感を感じた方は「するどい!」

 まず、しゃべっている女の子の動画は、「Vidnoz AI」を使って作っています。そして、「Vidnoz AI」を使ったことのある方は、こんな動画は作れないと感じたと思います。

 女の子の背景で別の動画が動いています。これは「Vidnoz AI」単独では作れないと思います。

 この部分は、Photoshopに動画を読み込み、丸い部分だけ残して、周囲を切り抜いています。

 そして、その動画の下に、別の動画を読み込み合成して、レンダリング・出力しています。

 ところで、この作業で音声が消えてしまいました。出力した動画は無音声です。このため、「Vidnoz AI」で生成した動画から音声を抽出してmp3形式で保存します。

 さらに、Photoshopで作った動画に音声を合成します。この作業には、MovieMakerを使いました。やはり、昔のMovieMakerが一番使いやすいと思います。昔のWindowsのおまけソフトだったのですが、今でも探せばDLできます。

 さて、YouTube動画を見ていて、もうひとつ気づいた点があると思います。それは、一人の踊り子が他の踊り子とは違う動きをする部分。他の踊り子が静止しているのに、一人だけ踊り出すシーンです。

 これは、一人の踊り子だけ切り出して、他は静止画にしています。数年前に作った動画があったので使ってみました。

 昔のPhotoshopで作ったので、ちょっと雑ですが、「あれっ?」と違和感を覚えると思います。

 女の子のナレーターの位置は、Photoshop上で自由に変えられます。

 

「Vidnoz AI」と類似のアプリとの違い

 今回、「Vidnoz AI」を取り上げた理由は、無料で使えるサービスだということ。他にもいろいろ試してみたのですが、どれもこれも無料と書かれているのに実際には違うという騙しサイトのオンパレードなのに気づきました。

 生成するのにユーザー登録を求めるだけならまだしも、いきなりカード情報を求めるサイトもあります。そんなサービスを提供するサイトには近づかない方がよいでしょう。

 まずは試してみて、ではなく、試す前に、カード情報を入力させるようでは、詐欺サイトだろうと感じます。

 あるサービスは、生成した動画にたくさんのロゴが貼られているものもありました。また、あるサイトでは、お試しは1クレジットのみ。1分程度の動画を作るとそれでお試しは終わり。これではお試しにもなりません。

 いろいろ試していると気づくのですが、サービスをたくさんの会社が提供しているように見えて、実際には同じ会社が名前を変えてやっているのではないか、という疑惑を感じます。

 その点、「Vidnoz AI」は、ほとんどの機能が無料で使えます。多くの動画を作るのであれば有料に切り替えてもよいでしょう。このサービスがいつまで続くかは分かりませんが、現時点では7日間ログイン報酬がもらえるので無料で使えます。試してみるなら今がチャンスです。

 

「Vidnoz AI」はFirefoxでは使えない

 管理人は、ブラウザはFirefoxを使っているのですが、Firefoxでは「Vidnoz AI」を使えません。ユーザー登録ができません。Gメールで登録しようとすると、読み込み中となり、その先に進みません。

「Vidnoz」に限ったことではないけれど、偽装サイトに注意!

 サービスを提供する「Vidnoz」という会社は実体があるのか全く分かりません。所在地はロサンゼルスのようですが、いくら調べても、住所も社長の名前も一切分かりません。それなのに商取引できるの?

 まじめに調べたら、「Vidnoz」の所有者は「Wise Reward Limited」という香港の会社だと分かりました。

HONG KONG CENTRAL PLAZA 35/F
CENTRAL PLAZA 18 HARBOUR ROAD
HONGKONG HK 999077

 日本語のホームページ(英語正規サイト https://www.vidnoz.com/ ではなく、https://jp.vidnoz.com/)には、「特定商取引法に基づく表記」があり、そこには、「ひとながグロバール株式会社」という販売業者が登録されています。国税庁が指定する法人番号や登記簿記載の会社法人等番号によれば、法人番号指定年月日: 2024年2月14日となっています。

 問題は、https://www.jp.vidnoz.com/ は詐欺サイトとして警告が出ることです。wwwの部分が違うことに注意。) 

 また、(wwwのない)https://jp.vidnoz.com/へはオリジナルのhttps://www.vidnoz.com/からは行けません。このため、この日本語サイトが正規のサイトかどうかは私には確認のしようがありません。法人登録が今年の2月だし。

 

 とても似ているURLなので混乱します。整理すると以下のようになります。

 詐欺サイトとの警告が出るからと言って誤検出の可能性もあります。結局は、自己責任の世界です。トラブルを避けたい人は、近づかないのが一番です。リスクを承知で利用するのなら、詐欺サイトと判断する最低限の知識を持つべきでしょう。

 画像や動画の処理関連ソフト・サービスで網を張っているロシア系や中国系の詐欺サイトが無数にあるので、この手のサービスを利用する際には、正しいリンク先を確認する、会社を確認するなどチェックした方がよいでしょう。本物のサイトになりすまし、巧妙にカード登録の部分だけ別のサイトに飛ぶように偽装している可能性もあります。くれぐれもカード情報を渡さないように注意しましょう。

 wwwのあるなしで偽装する手口が横行しています。日本気象協会もこの手口で詐欺サイトが開設されているから驚きです。いまだに現役の詐欺サイトが運営されています。

 ということで、正規のアドレスから「Vidnoz」を利用しましょう。正規のサイトも、中国(香港)のサービスであることを隠しているので、それなりのリスクを覚悟して利用することになりますね。

 AIが便利になったけど、その実体が中国のサービスでは、恐ろしくて使い勝手が悪いかも。少なくとも、会社のパソコンで利用すべきではないでしょう。後で大問題に発展する可能性もあります。

 ここでは「Vidnoz」を取り上げましたが、他の類似のサービスはもっと危険だと感じました。作りがほとんど同じなのに別製品として複数のサービスを提供している。たぶん、やっているのは同じ業者です。お試しでいきなりカード情報を求めてくるのは詐欺サイトの典型的な手口なので、これに引っかかったら、カード会社に連絡して被害を回避しましょう。時間が経つと被害は自腹になります。

 この記事は、「Vidnoz」の使い方を書くつもりで書き始めたのですが、詐欺サイトの警告が出たので、内容を変更しました。検索の上位に表示されているからといって、それが詐欺サイトではない、とは言い切れません。Google検索では、詐欺サイトが上位を独占しているケースもあります。

 Photoshopを使う機会が激減したので、今回、久しぶりに使ってみました。数ヶ月使っていないと使い方を忘れてしまいます。そのうち、今回の作業の詳細を書きたいと思います。まぁ、よく忘れるので自分のためですが。