ネコが帰ってこない!こんなこと今までなかったのに!

 先日の朝、うちの奥様が「セサールいる?」とネコを探しに来ました。理由を尋ねると、普通は朝、セサールは部屋にいて餌を食べるのが日課なのだそうです。ところが、その日に限って愛猫セサールの姿が見当たらない。

 あまり気にもとめなかったのですが、昼になっても夜になっても姿を見かけません。こんなことはこれまで一度もなかったこと。

 夜になっても帰ってこないので、近所を探しましたが見つかりません。

 そもそも、セサールは遠出するネコではなく、行動範囲はとても狭く半径50mほど。このため、簡単に見つかると思っていたのですが、どこにもいない。

 翌日になっても帰ってきません。心配が募ります。こんな暑い中で具合が悪くなったのかも。もう、死んでいるかも。悪い方に考えが傾きます。

 迷い猫の貼り紙を作る必要があります。作るとすればこんな感じです。

 二日目の夜も2回、家の周囲を広範囲に探しに行きましたが、見つけることができません。最悪の事態が頭をよぎります。

 そして、深夜、ネコの鳴き声が聞こえます。鳴き声ですぐに分かります。セサールです。すぐに、探しに家を出たのですが、見つからない。鳴き声も一度きり。

 もしかしたら、空耳だったのか。そう思っていたら、再びセサールの鳴き声が聞こえました。再び家を飛び出して声のしたあたりを探し回りますが、やはり見つかりません。

 声の主は間違いなくセサールです。

 家に戻ると、なんと、セサールがいました! 幻かと思うほどその姿に感動しました。

 きっとお腹を空かせているだろうと餌のところに連れて行ったのですが、餌には見向きもしません。そういえば、セサールのお腹はふくれているように感じます。

 「こいつ、どこかでご飯をもらったな!」と思いました。でも、セサールはとても用心深いネコで、見知らぬ人が与える餌を食べるとは考えられません。そもそも「カリカリ」以外は食べない猫です。飛んでいる小鳥は大好物ですが。

 結局、セサール失踪は二日目で無事解決しました。飼い主夫婦は、もう心労でヘトヘト、くたくたです。

 また失踪すると困るので、猫ドアを閉めて出られなくしました。トイレは家の中にあるので問題ありません。

 ところで、セサールはどこに行っていたのでしょうか。不思議です。

 管理人は、深夜、セサールの名を呼びながらかなり遠くまで探しました。それを観ていたセサールが管理人の跡をつけて戻ってきたのではないかと考えています。

 ネコはあまり目が良くありませんが、飼い主を50mくらい先からでも見分けることができます。猫は夜目が利くので、暗くても問題ありません。

 最近、迷い猫の張り紙をよく見かけるようになりました。連日の猛暑の中、涼しい場所を探しているうちに、帰り道が分からなくなったのかも知れません。

 前述したように、セサールはカリカリ以外の食べ物を口にしないので、餌に釣られると言うことも考えられません。やはり、歳なのでしょうか。帰る家が分からなくなる徘徊老猫。

 防災無線で、ご老人が行方不明になっている、という放送が時より流れていました。そのうち、老猫や老犬の捜索依頼が防災無線で流される日が近いかも。

 ちなみに、午後5時に「よい子はおうちに帰りましょう」という防災無線の放送は、防災無線のテストのために流されているのだそうです。いざという時のために、常にテストを行う。でも、いつも同じ内容だと誰も聞いていません。もしかしたら、一部の区域で聞こえていない可能性もあります。

そこで、この機能をお借りして、迷い猫、迷い犬の放送に利用すると、飼い主から喜ばれます。

 猫のために飼い主の寿命が縮むかと思うような今回の猫失踪事件でしたが、いろいろ勉強になりました。

 猫は、T字路に出くわすと、標高の高い方向に移動する。たぶん、位置ポテンシャルを維持したいのかも。高い位置からなら、加速して低い位置に逃げることは可能なので、本能的に、高い位置のポジションを選ぶのかも。

 猫は飼い主の姿をかなり遠くからでも認識できる。:以前飼っていた黒猫のドラちゃんは、200m離れたバスの停留所まで管理人を迎えに来ました。いつ帰るか分からない管理人をじっと待っていたのです。50m程度離れた藪の中から管理人を見つけたドラちゃんが駆け寄ってきたことも何度もあります。漆黒の深夜なのに管理人を50m離れた位置から認識していたのです。

 ドラちゃんは1週間くらい家に帰らないこともありましたが、セサールは家から出たことがほとんどない猫です。

 よその猫に追いかけられたりして家に帰れなくなったのかも、と思いました。このため、かなり遠くまで探したのですが、やはり見つけるのは難しい。

 ところで、ドラちゃんが子供の頃に撮影した写真が見つかったのでアップします。

 

ドラちゃん

 見て分かるとおり、胴体がとても長い猫です。そして手足も長い。立ち上がって、ドアノブを押し下げて部屋に入ってきました。セサールで試したところ、どうやってもドアノブまで手が届きません。ドラちゃんがどれだけ大きな猫だったのか分かる瞬間です。

 管理人にとてもなついていて、賢い猫でした。