新型コロナウイルスで副反応が出た場合、厚労大臣が認定しないと救済(医療費・障害年金等の給付)は受けられない|薬害訴訟を見る限り、救済など最初から無理かも

  

 先日息子から、「新型コロナウイルス予防接種の二回目を受けた元同僚が接種の二日後に突然亡くなった」と元職場の同僚からメールが入ったという話を聞きました。

 ネットの記事ならこのような話は最初から信用しないのですが、今回はちょっと違います。情報源がはっきりしているからです。予防接種二回目で発生する突然死。

 詳細は分かりませんが、若者が突然死したことは真実です。

 たぶん、突然死の原因が分からないまま、病理解剖(剖検:ぼうけん)も行われずに、火葬されたのでしょう。厚労省のデータにこのケースが登録されているのかは不明です。

予防接種健康被害救済制度って、名ばかりの制度

 ところで、管理人のもとにも「新型コロナウイルスワクチン接種クーポン券」が送られてきました。その封筒に入っていた「説明書」の中に、「予防接種健康被害救済制度について」という項目があり、そこには、次のように書かれています。

予防接種では健康被害(病気になったり障害が残ったりすること)が起こることがあります。極めてまれではあるものの、なくすことができないことから、救済制度が設けられています。
 新型コロナワクチンの予防接種によって健康被害が生じたとしても、予防接種法に基づく救済(医療費・障害年金等の給付)が受けられます。申請に必要となる手続きなどについては、住民票がある市町村にご相談ください。

新型コロナワクチン予防接種についての説明書

 素晴らしい制度ですね。などとは思いません。この制度が適格に運用されているのであれば、薬害訴訟など起きないからです。

 つまり、国が 「新型コロナワクチンの予防接種によって健康被害が生じた」と認めないのなら、この救済措置は絵に描いた餅になります。

 厚労省のホームページを見ると、次のように書かれています。

副反応による健康被害が起きた場合の補償はどうなっていますか。

健康被害が予防接種によるものであると厚生労働大臣が認定したときは、予防接種法に基づく救済(医療費・障害年金等の給付)が受けられます。
一般的に、ワクチン接種では、一時的な発熱や接種部位の腫れ・痛みなどの、比較的よく起こる副反応以外にも、副反応による健康被害(病気になったり障害が残ったりすること)が生じることがあります。極めて稀ではあるもののなくすことができないことから、救済制度が設けられています。

救済制度では、予防接種によって健康被害が生じ、医療機関での治療が必要になったり、障害が残ったりした場合に、その健康被害が接種を受けたことによるものであると厚生労働大臣が認定したときは、予防接種法に基づく救済(医療費・障害年金等の給付)が受けられます。認定にあたっては、予防接種・感染症・医療・法律の専門家により構成される国の審査会で、因果関係を判断する審査が行われます。新型コロナワクチンの接種についても、健康被害が生じた場合には、予防接種法に基づく救済を受けることができます。なお、健康被害救済の給付額は、定期接種のA類疾病と同じ水準です。

厚労省HP

 この説明を読むと、救済認定のハードルがいかに高いかが分かります。健康被害が生じ、救済を求めたとしても、「因果関係が不明」として認定されないケースがほとんどだろうと想像できます。

 「ワクチンの普及を推進している国としては、正確性が曖昧なものを『副反応が原因』と判定できない。『因果関係は不詳』と報告するほかないのでしょう」1)

 ということで、救済制度はあってもその適用を受けられる人は一人もいない、という奇妙な現状になっています。まさにこの制度は、「絵に描いた餅」。厚労省が得意とする中身のない制度です。これでは安心してワクチン接種などできません。

 冒頭で紹介した息子の元同僚も救済措置の対象外です。 『因果関係は不詳』 に分類されるからです。

ワクチン接種 の危険性がサッパリ分からない

 予防注射をすれば、腕が腫れたり、痛みがあったりするのは、はっきり言って当たり前のこと。そのような症状がない人などどこにもいないと思います。

 海外出張をする場合、訪問国によっては黄熱病の予防注射接種が必要となることがあります。入国審査で黄熱予防接種証明書(イエローカード)の提示を義務化している国もあります。

 ところで、この黄熱病の予防注射は、必ずと言ってよいほど副反応による発熱が生じます。黄熱病の予防注射は予防注射の中でも副反応で有名です。これにより管理人も何度か発熱しました。

 この予防注射ができる場所はとても限られていて、しかも、ワクチンを解凍して使うため、人数が集まらないと打つことができません。COVID-19ワクチンに似ています。

 黄熱病に限らず通常のインフルエンザワクチンでも腕の腫れや痛みを感じる人はたくさんいると思います。

 現在のメディアの報道ぶりで嫌悪感を感じるのは、このようなインフルエンザ予防注射などの副反応については無視して、新型コロナワクチンの副反応の危険性のみを強調して取り上げ、さらに、公表されている情報の中からできるだけ人数の多いものを記事タイトルに使い、視聴者の不安を煽る、という煽り報道が多く見られることです。

 当然、記事の中身は竜頭蛇尾。中身はスッカラカンです。記事タイトルで煽ったことなどなかったかのように中身のない記事になっています。

 たとえば、週刊ゲンダイの記事。意味不明の内容で、記者が錯乱しているのではないかと思える。厚労省の情報を使いながら、記事タイトルとは無縁なピントはずれの内容になっています。たぶん、中身などどうでもよくて煽れる数値データさえ掲載できればよいと考えているのでしょう。

 

 最初の段落では、「現時点で該当するケースはない」、2番目の段落で、「コロナワクチンの接種後の死亡者は今年2月17日~7月21日で751人と報告している」、3番目の段落では、また別のデータを掲載し、(2019年10月1日~20年4月30日)に報告されたインフルエンザワクチンの接種者約5649万人のうち、死亡報告を6人としています、と記載しています。

 以降の記事では、これらの数値には一切触れることもなく、誰かが言ったことを書いているだけの記事構成になっています。タイトルに掲載している751人はどこに行ったのでしょうか。それを掘り下げようとは考えていない記事です。まさに、竜頭蛇尾。

 問題となるのは、接種後に腕が腫れたかどうかではなく、接種後の重篤な副作用により重症化した人の数です。それがどのメディアの記事を読んでもサッパリ分からない。とにかく数字の大きなものを使いたいから、副反応が出た人の数をタイトルに使って煽る記事を発信する。

国の補償って、それを使った人はゼロなのに、何を補償しているのか

 接種後の死亡とワクチンとの因果関係を調べるのは困難なようです。その証拠に、第57回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第4回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会に提出された資料3-3(2021(令和3)年4月30日)で、令和3年2月 17 日から令和3年4月 27 日までに報告された 19 事例を対象に、専門家の評価が実施されましたが、その結果は、すべて「 γ 」でした

γ:「情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係が評価できないもの」

 これでは、厚労大臣は認可しませんね。ということは、 補償 を受けられる人は皆無ということを示しています。「仏作って魂入れず」という表現の方が適しているかも知れません。制度があっても補償対象者はいつも「ゼロ」!

 新型コロナワクチンを安心して接種するためには、実効性が皆無の現行の補償制度ではなく、「疑わしくはすべて承認」とする法改正が急務という気がします。

接種後数日で死亡しているのに高齢者だから死んで当たり前、とのスタンスのメディアに呆れる

 ワクチン接種後の死亡事例がたくさん報告されているのに、メディアの反応がとても鈍いと感じます。

 そもそも、予防注射を打つ前に問診が行われています。その結果、問題がないと診断された人だけが接種を受けています。それなのに、接種後、数日以内にその人が突然死するなどあり得るのでしょうか。メディアは、亡くなった人の多くは、高齢の方、既往症のある方、という偏った見方で報じていますが、そもそも、予防接種を受けたということは、健康上、問題がないと診断されたからであって、年齢も既往症も関係ありません。予防接種を受けることができる健康状態だったのに、接種後突然死したということを問題視すべきです。

 誰も証明できない、証明する手段もない「因果関係」。それなのに、「因果関係」がはっきりしないと補償の対象にならない、という制度矛盾。

 国会で、遊んでばかりいないで、真剣にCOVID-19対策の問題点を抽出し、法改正を行うのが議員の仕事だと思うのですが。

懐かしい「新型コロナ」。Photo: Wikipedia

日本の優秀な官僚制度と世界で最も優れたマスコミが歯が立たない新型コロナウイルス

 上の小見出しは、当然皮肉を込めて書いています。

 まず、政治が機能していません。新型コロナウイルスが国内で発生してから野党が何をやっていたかというと「お花見」でした。野党は新型コロナ拡大に関心を示さず、このお花見をずっと国会でやっていました。危機感のかけらもない政党の議員さん達です。

 政府はというと、危機的状況では最も役にも立たない、「従来の方法」を採りました。それが「分科会」を設置するとというもの。

新型コロナウイルス感染症対策本部

新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード
 「新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」は、新型コロナウイルス感染症対策を円滑に推進するに当たって必要となる、医療・公衆衛生分野の専門的・技術的な事項について、厚生労働省に対し必要な助言等を行うものです。

新型コロナウイルス感染症対策分科会
「新型コロナウイルス感染症対策分科会」は、感染動向のモニタリング、ワクチン接種のあり方・優先順位、今後の対策等を審議するもので、令和2年7月3日に設置されました。分科会の庶務は、関係行政機関の協力を得て、内閣官房において処理されています。

新型コロナウイルス感染症対策専門家会議「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」は新型コロナウイルス感染症対策本部(本部長:内閣総理大臣)の下、新型コロナウイルス感染症対策について医学的な見地から助言等を行うために設置されたものです。同会議は、令和2年2月から6月まで計17回開催されました(令和2年7月3日廃止)。

「2019年の新型コロナウイルス感染症の流行にともない、新型コロナウイルス感染症対策本部の下に新設された新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の副座長を務めた。また、新型インフルエンザ等対策閣僚会議の新型インフルエンザ等対策有識者会議においては会長を務め、基本的対処方針等諮問委員会の委員長も兼務していたことから、新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言の妥当性について新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき審議した」Wikipedia, 尾身茂

 テレビによく登場する 尾身茂 氏ですが、彼の言っていることはどこかで聞いたことのあることばかり。そう、何の役にも立っていないWHOのテドロス事務局長が言っていることと同じです。

 そもそも問題分析がまったくできていません。総理がたびたび口にする「スピード感を持って」という言葉とは裏腹に、日本の対応は後手後手のように見えます。

 この「スピード感を持って」施策を運営できない理由が、委員会方式を採用したことです。分科会等の委員会は、結局のところ、厚生労働省の役人がそのために膨大な労力を費やして会議の資料を作っています。委員は配布された資料に基づき意見を述べるだけ。

 こんな会議を何回開いても有益な成果は期待できません。会議は、厚生労働省の役人が自分たちの考えを会議に提示し、そこでお墨付きをもらうための形式的なものだからです。

 コロナウイルス国内初感染が確認されたのは2020年1月16日のこと。その後、感染が拡大するにつれ、保健所が主役に躍り出ます。しかし、保健所っていったい何をしている組織? 食中毒が出た時はその発生源となったお店に対し営業停止命令を出せる権限を持つ組織ですが、実態は、事務方の集まりに過ぎません。とても数が少ない専門職では、同時多発的に食中毒が発生しただけでもパニックに陥る脆弱な組織です。

  この項は書きかけです

 

出典

  1. 「ワクチン接種後の死亡事例751件 因果関係は本当にない?」、週刊ゲンダイ、2021年7月31日