日本人が誰も知らない「テイラー・トレイル」の謎を追う|恐竜の足跡と人間の足跡が同じ地層から発見!の真相

 皆さんは「テイラー・トレイル」のことを聞いたことがありますか?

 現在、「やり直しの人類史の可能性はあるのだろうか?」という記事を書いているのですが、その中で、恐竜と人間の足跡が発見されている、という内容を取り上げました。

 しかし、この話題(テイラー・トレイル)は、調べれば調べるほど奥が深いことが分かりました。テイラー・トレイルについて日本語で書かれているまともな記事はネット上にはありません。もちろん、中途半端な、よその記事のパクりはありますが、読む価値のないものばかり。出典が一切記載されていない感想文かコピペの記事ばかりです。

 少し興味が沸いたので調べてみることにします。

「テイラー・トレイル」とは何か?

 アメリカ、テキサス州パラクシー川流域で、1969年、スタン・テイラー(Stan Taylor)という人物が発掘を開始し、1972 年まで作業を続けました。この土地は、1968 年に州立公園公債プログラムの下で個人所有者から取得されダイナソーバレー州立公園(Dinosaur Valley State Park)に指定され、1972 年に一般公開されました。

 パラクシー川流域では、約1億1,300万年前の白亜紀初期に、東に傾斜したグレン ローズ層の石灰岩、砂岩、泥岩が太古の海の海岸線に沿って堆積し、公園エリアの地質環境を形成しています。過去 100 万年ほどの間に、これらの層状の地層はパラクシー川によって侵食されてきました。

 つい4ヶ月前の2022年8月24日、干ばつによってパラクシー川が干上がり、約1億1300万年前に生息していた恐竜の足跡が出現した、と報じられています。

 スタン・テイラーは、ここで奇妙なものを発掘します。それは、恐竜と人間の足跡でした。この二つの足跡が同じ地層から発掘されたのです。

 これは、地球史上、絶対にあり得ないことです。恐竜が生きていた時代と人類の誕生とではあまりにも年代がかけ離れているからです。

 この足跡こそが「オーパーツ」です。オーパーツとは、それらが発見された場所や時代とはまったくそぐわないと考えられる出土品や加工品などを指します。

Source: SCIENTIFIC FACTS & EVOLUTION

 恐竜の時代は今から2億3000万年前に始まり、白亜紀の末、今からおよそ6600万年前にほとんどが絶滅してしまいます。一方、600万年前から500万年前になると、より人間に近い、ヒト亜科として区分される動物が現れます。我々現代人と同じグループの新人類(現生人類)が登場したのが、20万年前くらい前のことと言われています。つまり、恐竜の足跡と人間の足跡が同じ地層から見つかるなどあり得ないことです。

 それが見つかった! ところが、それに続く情報が乏しく、ネットで調べてもよく分かりません。誰も真面目に調べていないようです。

 この足跡の情報については、日本語ではほぼ皆無。あるとしても読む価値のない内容になっています。

 少し調べると、”The Taylor Trail” と呼ばれている足跡のようです。

 そして、その結論は、この人間の足跡に見える痕跡は恐竜の足跡というもののようです。

 では、それは、誰の研究により明らかになったのでしょうか。

 不思議なことに、それが辿れない。

 ”The Taylor Trail” についての情報が極端に少ない。

 この足跡発見のニュースは、1961年に出版された創造論の古典的名著『創世記の大洪水(The Genesis Flood)』の中で、鮮明な写真とともに初めて明らかにされました。

 足跡が発見された場所は、アメリカ、テキサス州グレン・ローズ近くのパラクシー川の河床です。

 この化石が含まれるグレン・ローズ石灰岩(Glen Rose Limestone)は、厚さ数百フィートの岩石で、北米大陸の南東部の大部分を覆っています。白亜紀前期(「恐竜の時代」の終わりに近い約1億年前)とされ、恐竜の足跡が豊富にあるだけでなく、掘削くずの中には炭化した木片が多く含まれ、その構成がよくわかります。白亜紀は地質学上の中間に位置し、グレン・ローズ石灰岩の下には、それ以前の時代の何千フィートもの堆積岩が眠っています。

近代創造科学運動の父で、創造科学研究所の創設者であるヘンリー M. モリス博士が深く関わっています。博士は、ノアの方舟を求めてアララト山への遠征隊を率いたことでよく知られている人物です。

1932年、進化論が科学的に証明されているかのように宣伝されていることに懸念を抱いたクリスチャンの小グループによって「進化論抗議運動」が始まり、年々その勢力を拡大し、後に「創造科学研究所(The Institute for Creation Research)」という組織となり、「創造科学運動」略称CSMとして発展してきています。モリス博士は、同研究所の所長でした。

 つまり、人間は神が創造したものであり、進化して人間になったのではない、と信じている危ない人たちの集まりのようです。

 モリス博士が着目したのが、パラクシー川河床から見つかった、少なくとも 134 の恐竜の足跡を含む、同じ岩盤上に見られる一連の 14 の連続した人間の足跡でした。

 この人間の足跡は、恐竜の足跡と重なったり横切ったりしており、明らかに同時代に恐竜と人間が生きていたことを示す大発見と考えられました。

 やはり、人類は、恐竜絶滅後に、下等な哺乳類から進化したのではなく、神が創造した、ということを裏付ける発見として注目が集まりました。

調査の結果は?

 世紀の大発見! 人類は猿や猿人から進化したのではなく、恐竜と同じ時代に現代人と同じような人類が生活していた。人間の足跡が動かぬ証拠である。進化論は間違っていることが証明された!?

 ところが、調査をしていくうちに、人間の足跡と考えられていた痕跡は、とても不明瞭で、たまたま人間の足跡に見えただけ、という結論に至ります。このため、創造科学研究所は、過去に発表した論文を撤回することになります。人間の足跡だと思われた痕跡が、実際には発掘が不十分で、正規に発掘すると、それらは人間の足跡ではなく、別の恐竜の足跡であることが判明します。

 一般の学者はこの発見に懐疑的だったのですが、創造科学研究所自ら論文を撤回したことで、この問題に終止符が打たれることになります。

 だから、「テイラー・トレイル」についての最近の記事は見つからないのです。

うさんくさい話しは週刊誌レベル

 テイラー・トレイルを紹介している外国語サイトは、ほぼうさんくさいサイトです。その記事を読むと、まるで週刊誌を読んでいるような錯覚を覚えます。書き方が皆同じなのです。

 彼らの書く記事の特徴は、出典を示すことなく、感想文に終始していること。仮に出典が書かれていたとしても、記事の中で示すべき出典とはかけ離れたものに過ぎない。通常は、「不適切な引用」と評価されるものです。

 たとえば、テイラー・トレイルの最初の発見者は誰か。誰も知らないのです。全ては、スタン・テイラーが調査したことから始まっています。

ところで、スタン・テイラーって誰?

 ここからだんだんとオカルトっぽさが増してきます。

 ダン・ブラウンの『ダ・ヴィンチ・コード』で登場するオプス・デイをイメージする展開になります。

 テキサス州グレンローズ近くのパルクシー川床に、恐竜の足跡と一緒に巨大な人間の足跡の化石があるという報告が、1900年代初頭にグレンローズ住民の間で流布されはじめました。

 この「人間の足跡」は、1950年代に創造論者の地質学者クリフォード・バーディック(Clifford Burdick)によって支持され、ジョン・ホイットカム(John Whitcomb)とヘンリー・モリス(Henry Morris)の著作「The Genesis Flood」(1961年)で取り上げられ、広く知られるようになったのです。

 1968 年、イリノイ州ピオリア(Peoria)出身のスタンリー・テイラー( Stanley Taylor)牧師は、クリフォード バーディックや他のグループの著作を通じてパラクシー川の人間の足跡について知り、創造と進化の論争に関するドキュメンタリーの一環として自ら調査することにしました。

 おやおや、スタン・テイラーではなく、スタンリー・テイラーが正式な名前のようです。

 スタン・テイラーは、1969年と1970年に再びサイトを訪れ、自ら発掘調査することとします。その発掘の様子を16mm フィルムに撮影しました。川岸に沿って表土を掘削することで、表面に出ていた既知の人間の足跡の範囲をさらに広げました。調査により、人間の足跡と思われる細長い痕跡が多数発見され、恐竜の足跡と思われるものも発見されました。

 ここで撮影されたフィルムは、「Footprints in Stone」という映画にまとめられ、1972 年に公開されました。少なくとも 10 年間、この映画は全米の多くの教会や学校のグループで上映されました。

 人間と恐竜の足跡が同じ岩層で隣り合って発見されたことを世に知らしめたタイラー。この足跡は、彼にちなんで「テイラー トレイル」と名付けられました。

 ところで、テイラーが読んだ本を書いた「クリフォード バーディック(Clifford Burdick)」って、誰? 

バーディック、クリフォード・レスリー (1894–1992)
セブンスデー・アドベンチストのコンサルティング地質学者であるクリフォード・レスリー・バーディックは、若い地球創造論の率直な擁護者であり、ノアの方舟の探索に関与していました。彼の主張の多くはセンセーショナルであり、後に信用を失墜させました。

https://encyclopedia.adventist.org/article?id=DAGE

 「他のグループの著作」の部分は、具体的に何?

John Whitcomb と Henry Morris による著書The Genesis Flood (1961) で議論された後、広く知られるようになりました。

https://ncse.ngo/summary-taylor-site-evidence

「若い地球論」って何?

若い地球説(わかいちきゅうせつ、英語: Young Earth creationism、略称:YEC)とは、創造論のうち、神による天と地とすべての生命の創造が短い間になされたとする説。現代科学の長い年代を否定し、紀元前数千年前から一万年前の間に、聖書の創世記にある通り、24時間の6日間で世界が創造されたとする。特殊創造説とも呼ばれる。
創造科学でも若い地球説が主張されている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8B%A5%E3%81%84%E5%9C%B0%E7%90%83%E8%AA%AC

 どんどんキリスト教の新しい概念が登場しますね。

 とりあえず、このバージョンでアップします。この記事へのアクセスが少ない場合はこれで終わり。一定数のアクセスがある場合は、この続きを書きます。

出典:

1) ”The Taylor Trail“, A series of 14 sequential human footprints on the same platform with at least 134 dinosaur tracks.

2) 「干上がった川の底から「恐竜の足跡」 米」、AFP BB News

3) ”Dinosaur Valley State Park“, Wikipedia

4) ”Paluxy River: The Tale of the Trails“, Institute Creation Research, JOHN. D. MORRIS,PH.D., APRIL 30, 2013 (彼はHenry M. Morris博士の息子)

5) “The Taylor Site “Man Tracks””、The TalkOrigins Archive

6) ”A Summary of the Taylor Site Evidence”,Creation/Evolution Journal, Vol.6, NCSE, 1986