ついにインプラントを入れることになりました。費用は40万円!その経緯と治療

 アメを食べていたら、その粘着力で奥歯の義歯がポロッと外れてしまいました。ちょうど1年前のことです。

 歯医者さんに行ったら、自前の奥歯の部分が短すぎる(小さすぎる)ので、再び義歯を入れることはできないと言われました。

 そこで、頼み込んで、「コロナのご時世。何度も通院するのは感染リスクがあるので、外れた歯をセメントでくっつけて欲しい」とお願いしました。通常ならば「直ぐに外れるような治療はできません」とやってくれないのですが、その時は、そのように治療してくれました。「直ぐに外れますよ」と言われましたが。

 それから1年。ついに再び外れてしまいました。そこで、お約束通り、本格的な治療をすることになりました。

 治療の選択肢としては、入れ歯、ブリッジ、インプラントの3種類があるとのこと。説明を聞くまでもなく、管理人はインプラントを選択しました。

 その理由はとてもシンプルなものです。ほかの歯を守るためです。インプラントは保険がきかないためとても高価な治療となりますが、インプラント以外の治療法では他の健康な歯に大きなダメージを与えます。トータルでみればインプラントの方が、結局は治療費が安くなると判断しました。初期治療費をケチったために、他の歯がガタガタになって、複数本治療することになるのでは元も子もありません。

この歯医者さん、インプラントの手術をできるの?

 医師の説明が分かりにくかったので、「インプラントはここでできますか」と聞きました。医師の回答は「もちろんです」。

 待合室に貼ってある医師の証明書を見ると、インプラントの専門医の資格を持っている先生で、近くの国立病院の指定歯科医になっているようでした。

 ひとまず安心です。

 でも、ひとつだけ気になったのは、先生が治療中に独り言を言うこと。「あれっ」などと言います。これって、アホみたいに口を開けている患者にとっては聞きたくない言葉です。「何かとんでもない治療ミスをしたのではないか」などと思ってしまいます(笑)。

実際の治療

 まず、歯の清掃をします。定期的にやりたかったので、ちょうど良い機会でした。これで、通院1回です。

 次回は、いよいよインプラントの手術です。

 管理人は、麻酔が効きにくいようなので、何度も追加の麻酔を注射され、その傷跡が炎症を起こす、というのがいつものパターン。今回は、麻酔がうまく効いたようで、痛みは一切感じませんでした。

 しかし、元の歯を抜く時、なかなか抜けず、先生がいつもの独り言を発します。「あれっ?」

 これは患者の心臓に良くない!

 手術は30分ほどで終わりました。ネジを骨に差し込むのがインプラント。その先端は鼻腔まで達しています。手術後のレントゲン写真を見て、「えっ、鼻の穴まで達しているじゃん!」と驚きました。実際にはぎりぎりのラインです。

 本当にコンマ数ミリの技術なのだと感心しました。ここで、手術費33万円を支払います。全体で40万円と言われていたので、残り7万円あまりは、義歯の分なのでしょう。

 手術後は、傷口を縫い、一週間後に抜糸。痛み止め、抗生剤とうがい薬を処方されます。

 出血は少なかったのですが、血が止まらない。

 手術を終えた後は、鋭い痛みは感じないのですが、手術部位がとても不快に感じ、麻酔が切れたら激痛になりそうと感じたので痛み止めを服用。後は寝ました。

 二日目も血が止まらない。少量の出血なのですが、血が止まりません。舌で触るとダメ、と言われているので、患部の状況が分からない。痛みはないのですが、痛くなりそうな不快感があるため、痛み止めを服用しました。

 三日目になっても少量の出血は続いています。でも、ほとんど出血は止まっているようです。

 七日目に抜糸です。ピンセットで引き抜くだけの簡単な抜糸でした。少し出血しましたが、直ぐに出血は収まりました。

 あとは、インプラントが骨と一体化するまで二ヵ月待ち、それから義歯を入れることになります。その間、抜糸後、一ヵ月を経たら検査のために診察を受けます。

管理人が不安だったこと

 インプラント手術に際して管理人が最も不安だったことは、麻酔が効くかということでした。実際には、その歯は神経を抜いているため、さらに、麻酔をしているため、痛みはまったく感じませんでした。歯を抜く作業に手間取り、抜けないため、半分に切断して抜いたようです。

 術後の腫れや痛みなど不具合も心配しましたが、痛みもなく、出血も収まり、問題ないようです。

 ただ、歯がないのに手術カ所はむき出しの状態です。このため、食事をする時はかなり注意しないと、患部に食べ物がはさまり、痛い思いをします。管理人は、キュウリの塊がこの患部にはまってしまい、痛い思いをしました。そして、再度出血!。

保険適用の治療法はありか

 管理人は、健康な歯を削ってブリッジをかけたり、歯にかかる力を両端の歯で支えるという方式(このために健康な歯を削る)をとても選ぶことはできません。そんなことをすれば、健康な歯まで大きなダメージを受けます。
 
 管理人の歯は、外国で治療したものが4本くらいあると思います。実は、どの歯が外国で治療したのかは覚えていません。

 外国で治療した歯の中には、その場で被せものを形成するという高度なものもあります。どの歯なのか分かりませんが。

 日本の場合、虫歯になると、歯を削り、型を取り、義歯をつくり、後日、これを装着します。このため、最低でも3回の治療が必要となります。

 ところが、上述の方法は、その場で義歯を形成するため、治療は1回で済みます。日本にはない最新の治療法なのだと聞きました。確かに日本では聞いたことがありませんが、実際にその手法で治療して頂いたのでとても助かりました。何しろ、飛行機を使って通院していたので。

 現在ある歯を傷つけずに温存する治療をすることは歯科治療の世界の趨勢です。

 その治療とはインプラント。この治療方法でなぜ保険が適用されないのか。その理由を知っている人は皆無でしょう。インプラントを保険対象にすれば、結局は政府にとっての全体の医療費負担が軽減できると思うのですが、なぜか、日本では消極的。歯科分野の医療技術も世界に遅れをとっていると感じます。

 その理由は明らかです。

 たとえば、アメリカでは、一般歯科医の他に、5つの専門歯科医がいます。①歯内療法科医(Endodontists)、②歯周病科医(Periodontists)、③矯正歯科医(Orthodontists)、④口腔外科医(Oral Surgeons)、⑤補綴歯科医(Prosthodontists)、です。

 なんと、日本の歯科医はこの5つの専門分野を一人でこなしているのです。そのレベルが高いはずはありません。

 上で、アメリカと書きましたが、アメリカの医療を学んでいる中南米の国々でも当然同じ体制です。

 かなり以前の話ですが、初めて海外赴任した時、妻が歯医者で治療した時、神経の治療は専門医で、と治療途中で別の歯科医院を紹介された時はショックでした。日本とは全然違うのです。

 なぜ、アメリカでは一般歯科医の他に5つもの専門医がいるのか。なぜ、日本では、たった一人の歯科医がそれを担っているのか。

 関心のある方はネットで調べて下さい。しかし、その結果は分かっています。そんな情報は”日本語”では存在しないのです! つまり、日本人は誰も知らないと言うことです。だから、誰も疑問にも感じない。日本の医療水準は世界有数だと勘違いしている。

 5つの専門分野に分かれるほど高度な歯科技術分野を、たった一人の日本人医師が日常の診療をしながら研修を受けて習得できるはずもありません。

 ネットから得られたわずかばかりの知識ですべてを知っているつもりの若者・中年たちがいるようです。そのような人たちの特徴は、ネットにない情報は、本来存在する事実さえも無視する傾向があるように感じます。

 身近な歯科治療について、あなたは何を知っていましたか。なぜ、歯を削り、型を取り、義歯を作り、それを入れる、という手間と時間のかかる工程を、当たり前だと思っていたのではないですか。それが、一回の治療で終わる治療法を知っていましたか。

 皆さんは、歯科分野の専門性の深さを知っていましたか。深夜の緊急病院にたまたま勤務していた産婦人科の医師に、急患で担ぎ込まれた腕を切断した患者の腕接合手術を依頼するようなものだと思いませんか。

 日本の歯科制度は、患者にとって確かに楽ちんです。しかし、その見返りとして、世界の最先端医療からは遠ざかっています。一人の歯科医師では無理なほど高度に専門化された分野が、歯科医療だということでしょう。 

義歯を入れて締め付ける

 ついに義歯が完成。これを装着して、ネジを締めて治療終了です。

 インプラントした場所は、上の奥歯。インプラントは骨を貫通し、鼻腔に達しています。

 義歯を入れて、ネジをトルクレンチで締め付けるのですが、これが何とも気持ちが悪い。骨が割れてネジが抜けるのではないかと思うほど締め付けます。まあ、トルクレンチなので、締め付け過ぎという心配はないのですが、気持ちのよい作業ではありませんね。

 ひと月後に再度締め直して治療の終了です。

参考:
https://www.shonanlifeshika.com/tips/1537/