10代、20代の半数がほぼテレビを見ないのにTwitterに投稿している朝のテレビ番組の話題は結局誰が書いているのか

 2021年5月20日付け朝日新聞DIGITALが『10~20代の約半数、ほぼテレビ見ず「衝撃的データ」』という記事を配信しました。

 「10代、20代の半数がほぼテレビを見ない。NHK放送文化研究所が20日に発表した国民生活時間調査で「テレビ離れ」が加速している実態が浮かび上がった。」という内容の記事です。

 若者のテレビ離れはかなり以前から言われていましたが、具体的な出典を見たのは今回が初めてだったので興味深く読みました。

 そこで、以前から疑問だった謎が深まりました。それは、朝の番組についてのメディアの報道ぶりです。

 着目すべきは、「調査日にテレビを15分以上視聴した場合のみ「見た」として集計。」という基準。たった15分さえテレビを観ていない若者がほぼ半数なのですから驚きます。この視聴時間を30分に引き上げると、若者の8割はテレビを観ていないという結果になりそうです。

ほとんど”だまし”と思える記事

 どのメディアでも共通しているのですが、ここでは、Infoseek (インフォシーク)を例に取り上げたいと思います。

 下の画像は、2021年5月23日 1:20AM 時点のInfoseekトップ画面です。

 赤枠で囲んだ「朝の情報番組、混戦ぶりが顕著に」という見出し記事があります。

 この記事は、夕刊フジが22日17時3分に配信した記事のようで、記事のタイトルは「混戦“朝の顔”ランキングは1人負け 最強女子アナ連覇の裏で「ラヴィット!」低空飛行 」です。

 ここで言う朝の情報番組とは、関東エリアのことを指しているようで、関東以外のことはまったく考えていないというお粗末な内容になっています。

 この比較の対象となっているのは、次のもの。

 ちなみに、関西では、朝日放送テレビが「おはよう朝日です」(月~土の5:00~8:00)が圧倒的な人気のようです。

 一般的な日本人は、朝の忙しい時間帯、観るのはNHK「NHKニュース おはよう日本」なのではないでしょうか。朝っぱらからおちゃらけ番組を観るほど皆さん暇ではないはずです。こんな時間帯に腰を据えてテレビを観ている人が日本中にどれだけいるのでしょうか。観ているのは猫くらいかも。

 次に疑問に感じるのは、誰が観ているのか、と言うことです。かなり早い時間帯から始まっている情報番組ですが、そんな早くからテレビをつけている人は、早朝出勤する人だと推測できます。そして、彼らは、テレビを観る余裕もなく朝食を済ませ、家を出る。

 結局、交通状況に異変がないか確認するためにテレビをつけていても、観ているのは人間ではなく、ペットたちなのでしょう。

 上記の調査はインターネットを使って行われたようです。ここでも疑問が生じます。

 そのような調査に回答する人たちって誰なのかということです。たぶん、回答しているのは、”テレビを観ていない” 若者たち。

 実際にはテレビを観ていなくても、Twitterなどの情報で間接的に番組内容を知っている人たち、あるいは、特定の番組の視聴率を上げることを目的に雇われた人たち、という気がします。

 なぜ、そう考えるかというと、実際にテレビを観ている人たちは、インターネットの調査なんて知らないからです。インターネットをやる人はテレビを観ない人がかなりの数だと思います。逆に、朝からテレビを観ている人はインターネットはやらない人たちです。だから、インターネットの調査があったことなど知りません。

 ここで調査方法のミスマッチが生じています。上記の調査方法では、”実際にはテレビを観ていない人を対象に調べた結果”を報じているに過ぎないと思います。

 次に、Twitterなどの情報を発信している人について考えてみたいと思います。

もっと不思議な朝9時台の番組

 管理人がとても不思議に感じているのが、朝9時台の番組についてのメディアの報道ぶりです。普通の人は、この時間、仕事をしているか、授業を受けているか、あるいは通勤途中の筈です。

 そんな時間帯に、だれがテレビを観ているのでしょうか。

 考えられるのは、夫や子供を送り出した主婦の方、ご老人、および、投稿記事で生計を立てているライターの方なのではないでしょうか。前2者は、情報を発信するほど暇ではないか発信する方法を知りません。すると、後者の人たちが情報を発信していると思われます。

 結局、朝のテレビ番組がどうのこうのというネット上の情報は、世論を反映している分けでもなく、一般的な職に就いていない専業ライターのお手軽記事により形成されているように感じます。

 それは、たぶん、関係者にとって持ちつもたれずの関係なのでしょう。メディアとしては、公平な条件で集めた情報なので「嘘ではない」と言いたい。その情報を提供したライターとしては、儲けるため、メディアが求めそうなことを書く。テレビなど観ないで。

 昔は、テレビの視聴率の調査で、猫が観ていても視聴率にカウントされると話題になりましたが、現代は、テレビを観ていないライターの作文が視聴率につながる。だれが情報を発信しているかは問われることはなく、SNSで話題になった、などと平気で偽情報を垂れ流すメディアには呆れてしまいます。

 Twitterで朝の番組のことを投稿している人がいますが、この人、仕事をしていないの? と思ってしまいます。たぶん、投稿するのが本業の方なのでしょう。同業者が盛り上げて話題作りをしています。自分たちに都合の良い話題だからです。普通の人は朝の番組など観ないにもかかわらず、メディアはこれに同調して盛り上げています。

 なんか、みんなが「お手軽」な仕事ばかりしているように感じます。

 なんて素敵な世の中なのでしょう。だれも汗を掻かなくてもお手軽に仕事ができ、収入を得ることができる。それで困る人はいない。この手法に瞞される人はたくさんいますが・・・。

 一部のライターがSNSに書いた記事(書かせた記事)を取り上げ、さもネット上で話題!などとニセの情報を流すことは、ほぼ「ステマ」の世界です。自分たちに都合が良いから取り上げて「ネットで話題」などと報じるのは大きな問題です。各メディアの倫理規定に必ず触れるはずです。この手法が許されるのなら、メディアは、取材などせず、たまたまSNSで見つけた自分たちが主張したいことと同種の書き込みを大々的に取り上げ、「ネットで話題!」と垂れ流せば、仕事は完了。

 それの何が悪いの? という声が聞こえてきそうな所が恐ろしい。