医療分野のネット配信記事に警鐘! 素人ライターの作文は止めて欲しい

 2023年6月11日、東洋経済オンライン が「【近視】国内で受けられる治療と期待の最新医療 専門家「大人になる前の治療が重要」の理由」という記事を配信しました。

 この記事の中で管理人の注意を引いたのが「アトロピン」という目薬です。低濃度アトロピン点眼が近視を抑制する効果があるそうです。

 管理人が、なぜ「アトロピン」に着目したかと言うと、この薬は散瞳薬として使われている薬だからです。ところで、管理人は、ほとんど全ての散瞳薬に対してアレルギー反応を引き起こします。

 そんな中で、「アトロピン」だけは散瞳薬として使えると思われたのですが、やはり、アレルギー反応が出ました。しかし、その反応は軽いもので、これを使って白内障の手術をしました。白内障の手術には散瞳が必要になります。

 このような経緯から、アトロピンと聞いて散瞳薬と考えたのですが、近視治療にも使われることを初めて知りました。

 ところで、眼科医は、目のアレルギーを持つ人に対しての知識がとても少ないと感じます。ネットで探してもほとんどありません。以前、慈恵医大で散瞳剤にアレルギーがあると医師に告げたにも関わらず勝手に散瞳剤が使われた結果、顔がパンパンに腫れ上がるアレルギー反応が出て、全治するのに1ヶ月かかりました。

 白内障の手術をする際、旧国立大学系の病院で、「うちでは手術できません。大学病院で手術してください」と言われた強度のアレルギー。

 眼科医の知識はアレルギーに対してあまりにも無知。それもそのはず、アレルギーは別の専門分野なのだそうです。管理人が大学病院に入院して白内障の手術を受けた理由がそこにあります。通常であれば日帰り手術も可能な白内障の手術。しかし、どのようなアレルギー反応が起きるか予測できないのです。さらに、パッチテストをしても、ほとんどの成分に反応が見られたため、どの成分の組み合わせでアレルギー反応が加速するのか分からない。

 つまり、分からないのです。東洋経済の記事を読んだだけでは、「専門家がこう言った」と記事内容の信憑性を高める記述をしていますが、その「専門家」は東洋経済がどのような記事を配信するのかは知りません。安直に、アトロピンを紹介していますが、ライターには問題意識は皆無なのでしょうね。

 最低でも、目薬にアレルギー反応を引き起こすリスクについては記載すべきかと思いました。多くの眼科医は、散瞳剤に反応するアレルギー患者がいることに無知です。当然、看護師にも知識がありません。眼底検査をするために、何の説明もなくいきなり目薬をさそうとする看護師がいます。

 管理人は何度もこれを避けました。信じられない看護師、医者がいるものだと思いました。結局、医師は知らないのです。

 医療関連のネットニュースを読む場合、「専門家がこう言った」という記事はフェイクで、そのような記事になるとは「専門家」も知らないこと。つまり、「専門家が言った記事」ではなく、配信会社のライターの無責任記事だということを理解することが重要だと感じました。医療関連記事を配信するのであれば、アクセス稼ぎの釣りタイトルを避け、勝手にまとめるような記事は控えるべきでしょう。素人の作文はこの分野ではとてもリスキーです。

 自分がある成分の目薬に対してアレルギーがある、など通常は分からない。眼科に行くと目の調子がかえって悪くなる。管理人はそんな感じでした。そして、あるとき、劇的なアレルギー反応が生じます。アナフィラキシーです。

 手術とアレルギーの詳細については、過去記事、「白内障の手術をしました|散瞳薬に強度のアレルギーを持つ方必見の情報」をご覧下さい。