インターネットアンケートの結果とする記事が増えたが閲覧者には確認のしようがない|フェイク記事の温床

 最近、メディアの記事でよく見かけるのが、アンケート調査の結果はこうだった、という内容のもの。いつものように釣りタイトルで、記事の中身とタイトルが一致しない記事が多くありますが、気になるのは、アンケートの結果を根拠として、独自の主張をして、その正しさをアンケート結果に求めるというもの。

 そのアンケートがどうやって行われたのかまでは書かれておらず、単に「インターネットアンケート」としか紹介されていません。

 見返りのないアンケートに答える人はいないと思うので、ポイ活のアンケートが使われているように思うのですが、ポイ活のアンケートって、0.1円~0.5円くらいの単価のように感じます。これに、まともに答える人がいるのか疑問です。

 たぶん、質問文を誰も読んでいない。質問も読まずにでまかせにボタンを押しているだけ。こんなアンケートに何の価値があるのか疑問です。

 1問、1000円くらいもらえるのなら真面目に答えようと考えると思いますが、1問0.1円では、アンケートの結果を云々する以前に、そもそも、アンケートとして成立していないのではないかという疑問が沸きます。

 385人くらいからアンケートを採れば、日本国民の意見として統計上は言えるようです。信頼率99%でも664人です。

 そのために必要なコストは、385×0.1円= 39円です(笑)。その10倍の経費をかけても390円です。

 インターネットでアンケートを実施している会社は、アンケート回答者を完全に舐めています。アンケート結果を外部に漏らさないようになどの制約を設けています。報酬0.1円で制約を設けられても困ります(笑えます)。収入予定だった金額の10倍をくれてやりたくなります。1円ですが。

 メディアが情報の正確性を担保したいのであれば、アンケート調査の結果と記載するのでは全く不十分だと感じます。根拠を何も示していないのと同じこと。

 そもそも、ポイ活をやっている人は、国民の中でも限られた人たちだと思われます。その回答者のデータを集めても意味がありません。デタラメを答えるからです。

 たった385人で国民の意見を代表していると主張できるのは、サンプルの取り方に偏りがないことが必須条件です。サンプルに偏りがあると、「統計的」とは一言も言えなくなります。むしろ、統計的ではない、あるいは、一応統計的手法を使ってやってみました、というレベルです。

 アンケート調査をした結果と主張したいのであれば、調査を実施した会社名、時期、対象、調査方法、サンプル数などを示すのが普通です。それが書かれていないのであれば、アンケートによる結果という記述自体がフェイクと考える方が良いと思います。そんな記事を平気で書くライターがたくさんいるようです。

 これらの情報をしっかりと表示している記事もまれに見かけます。統計についての最低限の知識のある方が執筆されているのでしょう。

 逆に、これらの情報を表示せずにアンケート結果を前面に押し立てている記事は、読むだけ無駄です。即閉じをお薦めします。ライターの作文の可能性が高いと思います。