コロナ禍での「自宅で初詣」|お賽銭は神棚でもご利益アリ!、が本当なら今までの賽銭は何だったのか?

 2020年12月30日、週刊女性2020年1月5・12日号の記事『コロナ禍での「自宅で初詣」のススメ お賽銭はポチ袋に入れて神棚でもご利益アリ!』が配信され、各メディアが一斉に流しています。

 この記事の冒頭には、

 「いまだに猛威をふるう新型コロナウイルス。人が集まって密になる初詣は、おうちですませましょう。神社の方角を向いて手順どおりに参拝すれば、ちゃんとご利益もあるんです!」と書かれています。

 これにはかなり驚きます。「週刊女性」は「ご利益があると断言した!」

 何を根拠に書いているのでしょう。「週刊女性」という雑誌は、「主婦と生活社」が発行している日本で最初に創刊された女性週刊誌なのだそうです。

 きっと、同紙が「ご利益がある」と断言したからには、その科学的根拠が詳細に書かれているはずです。ワクワクします(笑)。

 結論を書くと、祈祷師で開運アドバイザーの梅上規隆(うめがみ・きりゅう)さんが言ったことをそのままサブタイトルに記載しただけの記事でした。

 梅上さんによれば、「おうち神社をつくり、そこにお賽銭をポチ袋に入れておうち神社に置く。」

 これで良いようです。

 すると、これまで神社で捧げたお賽銭は不要だったのかと思いますが、

 「大切なのは金額ではなく気持ち。捧げたお金は神様のために使われ、ゆくゆくは自分のもとに戻ってきます。おうち神社に供えたお賽銭は、神社で直接参拝できるときに忘れずに持っていきましょう」ということのようで、やはり、最後は神社に持っていくのが正解のようです。

 しかし、肝心の「ご利益あり」と断言している部分についての疑問は残ったまま。

 「ご利益」とは、参拝者が祈り願ったことを神様がかなえてくださることと誰もが考えます。

 もし、「ご利益」についてこのような表記が許されるのであれば、「景品表示法」など無視して、いくらでもイカサマ商法が成り立ちます。

 週刊誌がイカサマ商法の助長につながる表記をするのは問題です。本来であれば、「ご利益が期待できる」くらいに留めておくべきでしょう。

 週刊誌が記事タイトルで「ご利益アリ」と断言した文章を書いた時点で、それはフェイクニュースです。気になるのは、そんな記事を配信する会社の体勢です。社内でだれもチェックしていない、あるいは、無頓着なのか。いずれの場合でもフェイクニュースを平気で流し続ける会社のように感じます。

 富岡八幡宮殺人事件のようにお賽銭が女性宮司のホストクラブの支払いに消えていたのでは神様は怒るでしょう。

 

 そもそも神社にお参りしてお賽銭をあげる行為は、ご利益を期待するというよりも、神社の維持管理に使って下さい、という気持ちの参拝者も多いと思います。管理人の場合は、後者です。

 富岡八幡宮のように、総代会が機能しないのではお話になりません。歴史に胡座をかいてキャバクラ通いをする世襲制の宮司のいる神社はお参りに行ってはいけません。神様が怒っているからです。

 初詣は、大きな神社ではなく地元のこぢんまりとした存続が危ぶまれる神社にこそ詣でるべきかも。

 きっと、ご利益がアリます!