猫の凱旋
三日ほど前、夜中に愛猫のピーちゃんが啼きながら外から帰ってきました。
その啼き声がおかしい! 何かを咥えているときの鳴き方です。
あっ、ネズミを捕まえてきたな! いつものことなので、ピーちゃんの啼き方で分かります。
部屋に行ってみると、やはりネズミを捕まえていました。ピーちゃんの困ったところは、ネズミを捕まえて部屋に入ってくると、もう、ネズミには関心を示さなくなること。部屋に放し飼い状態です。ただ見ているだけで、捕獲しようともしません。
今回捕まえたネズミはちょっと珍しいタイプで、大きさは8cmくらいの中型。身体に黒く長い毛がびっしり生えているタイプです。これは初めて見ました。
ピーちゃんはネズミを捕まえるとき、とても甘噛みするようで、ネズミは怪我をしておらずピンピンしています。
とりあえず、ネズミを捕獲しなければならないのですが、もし噛まれでもしたらやっかいです。そこで、火ばさみを取りに階下へ。
火ばさみと大きなビニール袋を持ってネズミのいる部屋に戻ってみると、ピーちゃんがネズミを探しています。どうやら見失ったようです。
おいおい、見失うんじゃねーよ! 部屋の中を探したのですが、見当たりません。
これは困ったことになった。獲物に逃げられたピーちゃんは、悔しいらしく、しきりと探し回っています。でも、見つからない。
消えたネズミ
部屋にはピーちゃんが陣取り、監視体制に入っています。何しろ、暇な猫なので、根比べはお手の物。そこで、管理人はネズミの捕獲は諦め、ピーちゃんに任せることにして寝ました。
翌朝、本格的に探してみたのですが、見当たらない。ピーちゃんはずっと監視していたようなので、部屋から逃げだしたとは思えないのですが、見つからない。
すると、一階でネズミの糞を発見! どうやら、一階まで降りてきたようです。さらに、風呂場でも糞を発見! どうやら出口を探してあちこち歩き回っているようです。
日中は玄関を開けっ放しにしているので、ネズミは外に逃げたと思っていました。
ところが、急展開!
エアコンが壊れた!
夜中に、息子がエアコンがおかしい。壊れたみたいだ。凄い音がする、と言ってきました。
この時期にエアコンが壊れるととても困ります。エアコンを新規に購入しても設置できるのはいつになるやら。
早速、息子の部屋に行って確認すると、確かに凄い音がしています。リモコンが動かず、エアコンの停止もできない。そこで、コンセントからプラグを外して停止させました。
明日、見ておくよ、と息子に言うと、「エアコンの中から黒い毛が大量に噴き出してきたんだけど」と一言。
「えっ! それってネズミの毛?」
嫌な予感がします。でも、深夜なので、その場はそれでオシマイ。
ネズミの遺体を回収
翌朝、つまり、今日です。エアコンの蓋を開けて中を覗いてみます。
すると、ネズミの足が見えました。トホホ・・。どうやらエアコンまでよじ登り、隠れていたところ、息子がエアコンのスイッチを入れたために、挟まれてしまったようです。
管理人はネズミは結構好きな方で、救出してあげたかったのですが、既にお亡くなりになっているようです。気になるのはネズミの遺体の損傷の程度。血がどばーっと出てきては困るし、身体があちこちちぎれていても気持ち悪い。
さて、ネズミをどうやって回収したら良いのでしょうか。病原菌が怖いので、素手では触れません。
そこで、火ばさみを使って引き出すことにしました。
でも、いくら引っ張っても出てこない。そこで、エアコンの回転部分を手で回し、やっとネズミの遺体回収に成功しました。意外に損傷はなく、綺麗なご遺体でした。
回収後は、掃除機をかけて、飛散した毛を吸い取り、アルコールで消毒しました。
エアコンのスイッチを入れると、正常に動きます。どうやら壊れてはいないようです。最悪の事態は免れたようでホットしました。
犯人はこいつだ!
今回の騒動を引き起こした張本人(猫)が、八割れのピーちゃんです。
ピーちゃんはネズミに特化したハンターで、捕まえてくるのはいつもネズミです。それもでかいネズミを捕まえてくるので困ります。
写真の奧にいるのがセサール君。彼は鳥専門のハンターで、今回と同様の騒動を引き起こします。小鳥だけでなく、鳩も捕まえてくるので困ります。
セサールは獲物を捕まえるとき、ほとんど瀕死の状態にします。鳩を何度も保護しましたが、皆、死んでしまいました。セサールにつかまった鳥で生き延びたものはいません。
さらに、セサールは、ただ捕まえるだけでなく、実際に食べてしまいます。カリカリのキャットフード以外口にしないセサールですが、自分が捕まえた鳥は格別のようです。
まあ、捕まえてくるのが鳥とかネズミなのでよしとするしかありません。これが蛇だったら大事(おおごと)です。考えただけでも恐ろしい。家の周辺には蛇はいないと思いますが、・・・。
実は、心に残る不安があります。
今回回収したネズミの遺体は、管理人が見た黒くて長い毛のネズミとは違うように思うこと。
もし、違うとすると、ネズミはもう一匹いることになります。
あまり心配しても精神衛生上良くないので、考えないことにします。
猫を飼っている人は、こんなことは日常茶飯事なのでしょうね。
ピーちゃんは、猫としてはトロい方なので、こんな猫に捕まるネズミの気が知れない! たぶん、ネズミは天敵がいないと思っているのでしょう。
まさか、ネズミ専門ハンターのピーちゃんがいるとは知らずに、闊歩していたのでしょう。
セサールがネズミを捕まえてきたことは一度もありません。いつも鳥だけです。猫によってはネズミに関心を示さないケースもあるのでしょう。だから、油断したネズミが専門ハンターのピーちゃんに捕まってしまう。
猫の世界も複雑です。